また、年をとるほど歯が白くなるまでに時間がかかります。
歯のエナメル質は酸や唾液によって、「脱灰・再石灰化」を繰り返しています。
むし歯菌によって歯のエナメル質やリンが溶け出しても（脱灰）、唾液によって口の中が中和されると唾液中のリンやカルシウムがエナメル質に戻る（再石灰化）仕組みです。
脱灰・再石灰化を繰り返すにつれ、ミネラルの多い硬い歯になるため、年をとるほど歯が硬くなり、ホワイトニング剤がしみこみにくくなるのです。
さらにホワイトニングによって白くなった歯は半年くらいたつと、徐々に後戻りして色がついてきます。つまり、白い歯を維持したい場合は、繰り返し治療を受ける必要があります。なお、ホワイトニングは自費診療になり、歯科医院によって費用は異なり、1回1万～7万円くらいと幅があります。
また、こうした治療は十分、説明を聞き、納得したうえで受けることが大事でしょう。
若林健史
若林健史（わかばやし・けんじ）。歯科医師。医療法人社団真健会（若林歯科医院、オーラルケアクリニック青山）理事長。1982年、日本大学松戸歯学部卒業。89年、東京都渋谷区代官山にて開業。2014年、代官山から恵比寿南に移転。日本大学客員教授、日本歯周病学会理事を務める。歯周病専門医・指導医として、歯科医師向けや一般市民向けの講演多数。テレビCMにも出演。AERAdot.の連載をまとめた著書『なぜ歯科の治療は1回では終わらないのか？聞くに聞けない歯医者のギモン40』が好評発売中。
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