AERAの連載「はたらく夫婦カンケイ」では、ある共働き夫婦の出会いから結婚までの道のり、結婚後の家計や家事分担など、それぞれの視点から見た夫婦の関係を紹介します。AERA 2023年6月26日号では、スラックライン&ボルダリングジムを運営する前田加奈子さん、Schooでプログラマーとして務める前田直仁さん夫婦について取り上げました。
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2018年、夫38歳、妻36歳のときに結婚。現在、長男の晴道くん(4歳)と3人暮らし。
【出会いは?】友達を介して、共通の趣味であるクライミングの岩場(御岳ボルダー)で一緒に遊んだことがきっかけで出会う。
【結婚までの道のりは?】2人だけでもクライミングに行くようになり、出会いから約3カ月後に交際スタート。最初から結婚を意識していて8カ月後に同棲し、その数日後に妊娠が判明。急ピッチで結納と結婚式を行い、翌年息子を出産した。
【家事や家計の分担は?】家事は得意なことをするのが基本で、洗濯は主に妻、料理(ミールキット多用)は夫、掃除はロボットが担当する。家計は、家族口座を一つ持ち、そこにお互いが毎月入金して、生活費や子供関連の出費を捻出する。
妻 前田加奈子[41]スラックライン&ボルダリングジム OWL Line & Wall運営
まえだ・かなこ◆1982年、埼玉県出身。大学卒業後、輸入食品小売店で接客業、ステンレス卸会社で経理・営業事務をし、結婚と出産を機に退職。長野県に移住後、自治体主催の起業支援プログラムに参加して起業し、2021年11月に念願のジムを開業する
私は、もともとは自由奔放な性格なのに、なぜか仕事は自分を抑えて、つらくても我慢してやるものと思い込んでいました。そのせいで、会社勤めをしていたころはストレスから体調を崩し……。
当時は生きづらくて仕方ありませんでしたが、ストレスがあったからこそクライミングにのめり込み、夫と出会えることができたのでまったく無駄ではなく、すべてつながった流れのように感じます。
結婚後よくやっていた「KPT」の話し合いも、自分を素直に出すいいトレーニングになりました。KPTとは夫がしているエンジニアの間で、チーム運営に使われるフレームワークです。それを夫が、夫婦もチームなんだから活用できないか、と思って2人で始めるようになりました。
おかげで家事分担などで問題が起きても、不満を言うより先に解決策を探す考え方が定着。無駄なもめ事がなくて疲弊しないため、自己肯定感が爆上がり(笑)。本来の奔放さも取り戻せて自分に正直に生きることができています。