「コンビニ百里の道をゆく」は、53歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
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6月は衣替えの季節ですね。コロナの規制も緩和され、お気に入りの服で外出される機会も増えるのではないでしょうか。
自分に合う服を着る楽しみに私が初めて目覚めたのは、ちょうどコムサデモードなどのDCブランドブームだった中学高校の頃。
学校が私服だったこともあり、背伸びしてDCブランドものを着ると「きょうの自分はかっこいいんじゃないか?」という感じで、服装一つでウキウキした気持ちになっていました。
大学生になると逆に全くこだわらなくなり、夏はポロシャツに短パン、冬はスウェットにパーカー。「何も意識してない感じを意識している」といったふうに変わりました。
就職で東京に出てきた時は、大学時代の反動もあり、「社会人だし、ちゃんとしとかないと」と、ベージュのジャケットを着たり、ネクタイも派手にしたりなど、また気を使うようになりました。
その後、米国インディアナ州に転勤になり、リラックスした雰囲気の土地柄の中でネクタイもせずチノパンにボタンダウンのシャツと、シンプルな感じに戻りました。
自分のスタイルにたどりついたのは40代半ばの頃です。「シンプルで清潔感のある服」が、自分に合い、いちばん自然にリラックスできるなと思うようになりました。
シャツは白いシャツのみ、スーツも紺かグレーしか買わなくなりました。いまは、「自分はこうなんだ」と、こだわらないのがこだわり、みたいな感じですかね。
50歳にもなると自分のことがよくわかってきて、「服も自分に似合ってくるし、自分も服に似合ってくる」というような感じへと、何も考えなくても変わっていく気がします。
これからも、自然体で着こなしを楽しみたいと思っています。
竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長