世界中の株に投資するから「全世界株式」
世界中の株に投資するから「全世界株式」

現行のNISAは2023年まで、2024年からは新しいNISA。いずれも主役は低コストの投資信託になるだろう。どれを買えばいい? 識者に取材し、絞ったランキングを紹介する。アエラ増刊「AERA Money 2023春夏号」より。

【ランキング】新しいNISAのおすすめ投資信託はコレ!

 新しいNISAで買いたい投資信託ナンバーワンといえば、世界経済が発展する限り上昇が見込める「全世界株式」だろう。

 2023年まで買えるつみたてNISAでも一般NISAでも、2024年からの新しいNISAでも、買う投資信託(以下、投信)は同じでいい。

 全世界株式をまず挙げたが、「S&P500」「全米株式」などの指数に連動する、シンプルなインデックス型投信から好みで選べばいい。金融教育家の塚本俊太郎さんも、こう語る。

「世界中の株式に投資する『全世界株式』、米国株の『全米株式』もしくは『S&P500』に投資するインデックス型投信なら、正直どれを選んでもいいと思っています。どうしても一つ選べと言われたら、全世界株式を推します」

 塚本さんは20年以上、プロとして株式市場を見続けてきた。

「これまでの相場を振り返ると、時代ごとに世界経済を牽引する企業や国は変わってきました。ここ10年は米国が好調で、S&P500や全米株式に投資していれば、最も高い運用成績を上げることが可能でした。

 でも2000年代前半は米国以上にBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国の頭文字を並べた造語)と呼ばれる新興国が好調で、1990年の初頭までは日本株が最強でした」

 これから先、米国に何が起こるかわからない。どう転んでも後悔しないようにしておきたい人には全世界株式のインデックス型投信という意見である。全世界株式なら、世界経済を牽引している国、企業の株をまんべんなく買える。

■どの国が成長しても◎

 全世界株式の投信の中で最もポピュラーなのが「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」だ。

 世界中の株が組み入れられているが、そのうち米国株の比率は56.9%(2023年2月末現在/以下同)。

著者プロフィールを見る
中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

中島晶子の記事一覧はこちら
次のページ
全世界株式「除く日本」はどうか