Q:イッたことがありません。このまま老いていくのが残念です。

A:一口に「イク」と言っても一般的には二つのイクがあります。

 一つ目の「イク」は肉体的な快感が頂点に達したとき。クリトリスでイク、男の射精などが該当します。二つ目の「イク」は肉体よりも感情が重要になります。最初の「イク」が本能と向き合って肉体が「イク」状態だとすれば、二つ目は感情と向き合って心が「イク」状態。それを僕は「オーガズム」と呼んでいます。

 一度もイッたことのない女性が僕の作品に出演するとき、必ずやってもらうイメージトレーニングがあります。簡単に説明すると、プライバシーが保てる部屋で腹式呼吸をして寛いでもらい、僕が「あなたはこれからセックスをするつもりです」「目の前に好きな彼がいます」「下半身には何も着けていません。彼の目を見て、心の中で『好き』と言ってみてください」と導き、次にはとてもここでは書けないような卑猥な言葉を、頭ではなく感情主導で口に出すよう誘導していくんです。このとき羞恥心を超えて「濡れてきちゃった」「したくなってきちゃう」などと言える女性は本番でオーガズムを体験する確率が非常に高いです。つまり、相手を心から愛おしいと思えること、そして「どう思われるか」という思考を捨て、自分を明け渡せることが大事なんです。これができれば相手を慈しむ「対人的感性」が共鳴し合い、オーガズムが起きます。

 もしパートナーがいるなら「セックスは見つめ合って、思いっきり乱れることが大切なんだって。今日はプライドを捨てて乱れるから、あなたも乱れてくれる?」と話し合って試してみてください。

 ちなみにAVの世界で熟女モノは売り上げが安定していますが、実際に熟女は現場の男優たちからも人気があります。なぜかというと、若い女性は自分がどう映るのか気にしがちですが、熟女は自分をさらけ出して本気のセックスをする人が多いからです。

「老い」について考えすぎると、今この瞬間に起きている大切なものを取り逃がすという側面もあります。「今」を大切に生きられる人は10年後も充実した人生を送っていると思います。どうぞ、熟女を武器に「今」を生きてみてください。

文化の創造と伝統の継承。京都橘大学が育てる次世代クリエイターとは?
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