電動キックボードに乗る人を街で見かけることも多くなってきた
電動キックボードに乗る人を街で見かけることも多くなってきた
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 今年7月から免許が不要となるなど、規制が緩和される電動キックボード。利便性は高いが、安全性について疑問の声も多い。パリでは市民がレンタル継続に「ノー」の意思表示をしたという。日本は大丈夫なのか。

【写真】電動キックボードで歩道を走る様子

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 街中で電動キックボードの利用が広がっている。だが、専門家からは安全性に対して疑問の声も上がる。

「操縦性はすごく悪い。これから、いろいろな問題が起きてくるだろう」と話すのは、自動車評論家の国沢光宏さん。電動キックボードに乗ってみて、そう感じたという。

 利用者はキックボードに立って乗り、ポール先のハンドルを握るだけ。ボードの下にある車輪が電動で動き走行する。便利な乗りものだが、操舵性などの問題はこれまでも指摘されてきた。

 特に日本の道路環境は自転車や電動キックボードの走行に適していないと国沢さんは言う。

 電動キックボードをめぐっては、昨年4月に改正道路交通法が成立し、今年7月から規制が緩和される。今回のポイントは、16歳以上なら免許が不要となるほか、ヘルメットの着用も必須から努力義務へと変更になる。さらに、制限時速は最高30キロから同20キロに引き下げる一方で、走行は車道のみから、同6キロ以下なら歩道も可能になる。

 しかし、弁護士ドットコムが実施したアンケート調査によると、登録弁護士の約9割は事故が増加すると懸念を示している。弁護士ドットコムの登録弁護士でアンケート回答者のうち、今回の規制緩和に対して「反対」と「やや反対」が56%に達し、事故の増加については「増加する」と「やや増加する」と答えた人が92.6%となった。

 この弁護士ドットコムのアンケート調査は今年3月25日から4月2日までの回答で、登録弁護士のうち109人が対象となっている。弁護士ドットコムの広報担当者は、ベビーカーの利用など「法律やマナーにかかわることについて、これまでもアンケート調査してきた」と話す。

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