では、検証結果。S&P500で検証した米国株の(2)(4)(6)(8)(10)から見ていこう。ITバブル崩壊やリーマン・ショックという大暴落がありつつも、米国株は40年間にわたって強烈な右肩上がりが続いたため、最短5年投資が有利だった。
(10)の2004~2018年の期間のみ負け。この期間は「180万円×10年投資」のほうが約131万円、多く増えていた。
次にTOPIXで見た日本株(1)(3)(5)(7)(9)はどうだったか。
(1)直近30年間、(3)バブル期ピークの1989年から16年目のリーマン・ショックを挟んだ30年間、(9)2004年から5年目のリーマン・ショックを挟んだ15年間は、年90万円×20年(または年180万円×10年の長期投資)のほうが、最短5年投資より結果がよかった。
(5)リーマン・ショックの2008年から15年間、(7)1999年から10年目のリーマン・ショックを挟んだ15年間では、最短5年投資のほうが有利だった。
「過去の話ですから、今後はわかりません。ただ『常に最短5年投資が正解とは言えなかった』という事実は検証できました」(長谷川さん/以下同)
自分の投資先が今後も、ここまでの数十年間の米国株と同じくらい順調に右肩上がりで成長すると「信じるなら」360万円×5年の投資をしてもいい。
長谷川さんに、投資の期間に関する留意点を挙げてもらった。
「まず精神面の問題があります。5年で1800万円を投資し、仮に6年目以降に暴落しても精神的なゆとりを保てるかという点です」
もう一つは余剰資金の観点。
「投資する1800万円が、仮に一時的に半分となった場合に、急な出費等への備えという点で問題はないか。その後も買値に戻るまでのんびり待てるかという点です」
リスクに対する考え方も。
「結局のところ、投資期間が長ければ長いほど、理論上、収益がバラつきにくくなる特徴があるという話です。