東京都医師会会長 尾崎治夫さん/医師・医学博士。専門は循環器内科。おざき内科循環器科クリニック院長。2015年から現職
東京都医師会会長 尾崎治夫さん/医師・医学博士。専門は循環器内科。おざき内科循環器科クリニック院長。2015年から現職

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Q:新型コロナ関連の医療費は自己負担になるんですか?

A:通常の公的医療保険による診療になるため、自己負担は増える。ただし、一部の公費補助は9月末まで残る。

 外来受診の場合、今後は、これまでも自己負担があった初診料や再診料に加え、検査費や診察費、薬代も、原則として他の病気での受診と同じように公的医療保険での診療になる。従って自己負担が増えることが多い。

 ただし、新型コロナウイルスの抗ウイルス薬はインフルエンザ治療薬に比べて高額のため、9月末までは薬代には公費負担が残る。10月以降はまだ不明だ。入院費も9月末までは一部、補助がある。

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Q:新型コロナに罹患したのか、確かめたい。検査はどこで受けられるの? 

A:まずは自宅で簡易検査キットを使って検査するのが望ましい。

 厚生労働省は、5月8日以降、重症化リスクの高くない人は「体調に異変を感じたら自分で検査、すばやく療養」するよう呼びかけている。

 あくまで呼びかけであり、重症化リスクが低くても医療機関を受診し、検査してもらうことも可能だ。ただし、検査代の費用負担は生じる。

 自分で鼻腔内のぬぐい液や唾液を採取し、比較的簡便に、短時間で結果のわかる抗原検査キットが薬局やネットなどで多数、市販されている。自主検査にはメリットがある。

本田「重症化リスクの高い人は、早く感染が分かって医療機関を早く受診すれば、重症化を防ぐ抗ウイルス薬の投与を早く始めることができます。リスクの低い人も早期に感染がわかれば、他の人にうつしやすい時期に、マスク着用や別の部屋で過ごすなど、家族や周囲の人に感染させないような配慮ができます」

 無症状の人が無料で受けられた都道府県の検査は、5月7日までに終了した。今後、無症状の人が検査を受けたい場合は、市販の検査キットで自分で検査するか、無症状の人を対象に検査を実施しているところで自費で検査を受けることになる。

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