「それいけ!ゲートボールさくら組」元ラグビー部仲間を演じる石倉三郎、大門正明、森次晃嗣、小倉一郎もゲートボールで魅せる。5月12日から全国公開。(c)2023「それいけ!ゲートボールさくら組」製作委員会
「それいけ!ゲートボールさくら組」元ラグビー部仲間を演じる石倉三郎、大門正明、森次晃嗣、小倉一郎もゲートボールで魅せる。5月12日から全国公開。(c)2023「それいけ!ゲートボールさくら組」製作委員会

──ラグビー部のキャプテンだった桃次郎は、ゲートボールでもキャプテンとして、かつての部員たちを引っ張っていく。藤さんはリーダーのあるべき姿について熟考したという。

藤:大切なのは、話を聞くことなんでしょうね。みなそれぞれ自我があるわけです。それを聞いて、なんとなく和を保てるような空気を作っていくことではと思っていました。

山口:だから私も藤さんに泣きつくことができたんだと思います! 小道具を作り直してもらえたのは、藤さんがリーダーだったから。本当に頼れるリーダーでした。

藤:山口さんは想像していたとおり、信頼できる芝居をしてくださる方でしたよ。

山口:私はこのオファーを受けた時、ちょうど体力的に自信がなくなっていた時期だったので、随分悩みました。台本にこんなことを書いていたの。「認知症になるとは、社会的な規制から抜け出して、カッコづけを捨てること。だから、いろんなことをまとわなくていい。TPOなんて忘れていい、自分の好きなように生きられる」と。そんなつもりでこれを受けようと思ったんです。藤さんは普段、モチベーションをどう保っていらっしゃるんですか。

藤:仕事を少なくする。年に1、2本。多くて2本です。僕のペースとしてはそれくらいがいいんです。演じることは、楽しいからやっている。飽きてしまったら最悪です。「演じたい」という欲望がある時に仕事の依頼が来ると、ガッと食いつけるじゃないですか。年中だったらおなかいっぱいで、咀嚼(そしゃく)もできなくなってしまいますよ。

山口:私は果林という芸名を決めた時に易にみてもらったんです。その時20歳ちょっと上ぐらい。希望としては、70歳まで現役で仕事をしたいと思っていました。その頃にはきっと記憶力も悪くなるから、演出意図のわかるエキストラになろうって。だから、初心は貫徹したかなと思ってるこのごろです(笑)。でも、他の人になれるこの仕事は面白いですよね。

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