カナダに留学中のオアシズの光浦靖子
カナダに留学中のオアシズの光浦靖子
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 カナダに留学中のオアシズの光浦靖子が久しぶりにメディアに顔を出している。一時帰国をしていて、6月19日の『あさイチ』(NHK)、6月20日の『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ)などに出演した。テレビ出演は実に2年ぶりだという。

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 どちらの番組でも、光浦は2年のブランクを感じさせない落ち着いた態度で話をしていた。むしろ、以前よりもとげとげしさが薄れて生き生きしているようにも見えた。『さんま御殿』では、相方である大久保佳代子とも共演して息の合ったところを見せていた。

 光浦がカナダ留学のために芸能活動を休止すると宣言したとき、世間では「なんでそんなことをするのか理解できない」「仕事を捨てるなんてもったいない」という意見は少なく、「わかるわかる」「いいんじゃない」という好意的な意見の方が多かったのが印象に残っている。時代は変わったな、と感じた。

 というのも、約30年前に、人気絶頂だった女性芸人の野沢直子が、日本での芸能活動を休止して渡米することを発表したとき、世間では驚きや戸惑いの方が大きかったような気がするからだ。

 当時の野沢はレギュラー番組を多数持つ売れっ子だったこともあり、「なんでこのタイミングでアメリカに?」と不思議に思われていた。それに比べると、光浦への意見はおおむね好意的である。

 もちろん、同じ女性芸人というカテゴリーに分けられるとはいえ、それぞれの立場や年齢が全く違うから、一概に比較はできない。ただ、ここまで光浦の留学が好意的に捉えられるようになった最大の理由は、時代の変化ではないかと思う。芸能人に対しても個人の意志が尊重されていて、本人がそうしたいならそれもいいよね、という空気が広がっている。

 また、女性の生き方も多様化しているし、女性芸人に対する扱い方も変わった。この点に関してはここ数十年で劇的な変化があり、光浦は「BEFORE」の時代を知っている最後の世代だと言えるかもしれない。

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ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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時代ならではの光浦靖子と大久保佳代子の関係性