【※ネタバレ注意】以下の内容には、今後放映予定のアニメ、既刊のコミックスのネタバレが含まれます。
アニメ『鬼滅の刃』の「刀鍛冶の里編」が18日に最終話を迎えた。今シーズンは、鬼殺隊「柱」が2人同時に参戦する点が見所だったが、霞柱・時透無一郎と、恋柱・甘露寺蜜璃たちはいったん引き離されてしまい、上弦の鬼2体をそれぞれ攻略しなくてはならなかった。「上弦の肆(四)」の半天狗は想像以上に広範囲を攻撃することが可能で、後半戦、炭治郎たちが翻弄されるその技のスケールの大きさは圧巻だった。初登場時に弱々しい老人の姿をしていた半天狗が、最終局面で見せた「強さ」を改めてふり返り、この鬼に勝てたことで、炭治郎たちが何を得ることができたのかを考察する。
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■バリエーションに富んだ鬼たち
『鬼滅の刃』に登場する鬼には、人間のような外見のもの、子ども姿、怪物姿、古今東西の悪魔や妖魔をほうふつとさせるものなどがいる。教祖の顔を持つ童磨、遊郭の鬼・堕姫、人間の協力者を得ていた魘夢もそうであるが、鬼の中には人を魅了するものもおり、鬼の総領・鬼舞辻無惨はその中でもとりわけ美しかった。刀鍛冶の里に姿に見せた上弦の伍・玉壺は異形の風体をしており、上弦の肆・半天狗は額にコブと角が生えているなど、古典的な鬼の姿をしていた。しかし、初登場時の様子だけでは、彼らの卑屈さとコミカルさばかりが目立って、その強さがどれだけのものかは分かりづらかった。
■半天狗という鬼
公式ファンブック『鬼殺隊見聞録・弍』(集英社、2021年)によると、半天狗は「87歳くらい」の見た目だと書かれている。初登場時には、「ヒィィィ」と悲鳴をあげるこの鬼が、本当に無惨から認められるほど強いのかと、誰もが疑問に思ったことだろう。
しかし、実際に戦闘が始まると、炭治郎と禰豆子だけでなく、「鬼喰い」という特殊能力を発揮した玄弥、駆けつけた恋柱・甘露寺蜜璃がいずれも苦戦を強いられ、霞柱・時透無一郎ですら虚をつかれるくらい、半天狗はその強さを見せつけた。