2019年4月から毎月11日、一回も休まずに続けてきたフラワーデモには今も、「初めて来た」という性被害者が訪れる。「ここで話すことを目標にしてきた」と語る性被害者もいる。先日のフラワーデモでも、12歳のときに兄から性被害を受けた70代の女性がやってきた。性被害の記憶は長年封印してきたのに、数年前、「兄からの性被害」という新聞記事の見出しを読んだ途端に、50年以上前の被害が急に蘇ってきたという。その記憶は人生を中断させ、日常生活を壊すほどの力をもって彼女を苦しめている。
そのような声を4年間、聴き続けてきた。性被害の実態にあわせた刑法改正を、既に諦めざるを得なかった性被害者たちが、自分のことのように願ってきた。それは自分のような被害者をもう後の世代に生みたくないという切実な思いだ。被害者をこれ以上絶望させないでほしい。被害者から見える現実をもとに刑法改正への強い一歩を強く願う。