■朝ウナでギアを入れる

 最新事情はどうなのか。サウナの魅力を「旅するサウナー」というブログで発信しているさとるさん(30代・会社員)によると、都内を中心に千円以下で利用できる早朝営業のサウナが増えているとのこと。さとるさんは仕事で大きなイベントがある日に朝ウナで自分のギアを入れているという。

「絶対寝坊できない日にサウナに行くって決めていれば早起きできます。朝だと家族と過ごす時間をほとんど削らなくて済むのもいいですね」

 交感神経を優位な状態に保つため、1、2セットにとどめ、サクッと入るのがベストという。そんなさとるさんもマナー違反の利用者に遭遇していた。

 10人近いグループが一斉に入室。常にワイワイガヤガヤと集団で移動し、他の利用者は圧迫されっ放し。こうした集団は朝よりも夜が多い、とさとるさんは言う。

「瞑想感覚を楽しめるサウナでこういう人たちに出くわすと、もったいないと感じます。グループでワイワイ利用したい人は貸し切りでお願いしたいですね」

 店側はどう対応しているのか。東京・渋谷の人気サウナ「SAUNAS」の担当者は言う。

「グループのお客さまのおしゃべりが過ぎる場合にはお声がけさせていただいております。とはいえ、サウナ空間は心地よく、なるべく自由な場所であってほしいのでお客さまのリテラシーを信じて営業しています」

 まさにそう。サウナは自由な社交の場。だからこそ利用者どうしの気配りを大事にしたい。

(編集部・渡辺豪)

週刊朝日  2023年6月19日号

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