そもそも王子夫妻が2018年に結婚したとき、イギリスのメディアから「3年持つはずがない」と言われた。結婚2年足らずで王室離脱、オプラ・ウィンフリーさんのインタビューを受け、「ハリー&メーガン」のドキュメンタリー番組を公開し、ヘンリー王子は暴露本『スペア』を出版した。いずれもテーマは英王室批判で、それによる収入も莫大だ。こうしたことから二人の人気はイギリスはもとより、アメリカでも凋落傾向にある。

 しかしメーガンさんは、しぶるヘンリー王子を置きざりにしてでもさらにスーパースターへの道を駆け上がりたい。先日は、大手エージェンシーのウィリアム・モリス・エンデヴァーと契約、芸能活動などに力を入れていく。メーガンさん担当とされるCEOアリ・エマニュエル氏の兄は、オバマ元米大統領の首席補佐官で元シカゴ市長、現在の駐日大使だ。政界進出の夢を捨てていないメーガンさんにとっては重要なコネになる可能性がある。自分には公爵夫人、子どもたちには王子と王女の称号を得た。もう、ヘンリー王子は必ずしも必要がないのかもしれない。夫妻の目指す方向には徐々にずれが生じている。

 メーガンさんが前夫に離婚を告げる際は、封筒に婚約・結婚指輪を入れて送り付け、それきりだった。父親との関係もそうだ。心臓病で緊急手術を受けようと、「孫と会いたい」と繰り返そうと、関係修復の姿勢を見せない。メーガンさんは、英王室に入るときに閉鎖したブログ「ティグ」を再開する予定だ。ヘンリー王子と出会う前のティグには次のような言葉がつづられている。「自分を完成させるのに他人は必要ない。自分一人で十分だ」。ヘンリー王子とメーガンさんの不仲説は、離婚へと突き進むのだろうか。

(ジャーナリスト・多賀幹子)

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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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