住宅ローン減税が終わるのを機に、自宅を売りに出してみたところ、購入時の約2倍の値段で売れたのです。その売却益は御夫婦で3000万円(最大6000万円)の特別控除を利用し、かつ特別控除を上回った売却益についても10年超所有軽減税率の特例で14.21%(譲渡益税+住民税+復興特別所得税込)の課税のみとなったそうです。

■アパート投資より自宅投資

 そこで新しくローンを組んで、さらにグレードが高く、好立地の2億円ほどのマンションを買いました。またその3年後には、そのマンションの同じような間取りが3億5000万円で売りに出ていたそうです。住宅ローンを返済しつつ、マンション価格が上昇しているので資産がどんどん増えている好例といえるでしょう。

 アメリカの投資家であり実業家のロバート・キヨサキさんは、日本でもロングセラーとなった『金持ち父さん 貧乏父さん』で、自宅は「浪費」の代表格である、それよりも投資用不動産を購入し、毎月一定の家賃収入を得られるようにすべきだと説きました。

 しかしこれは、国の税制と、自宅の場所、地価の動向によると言えそうです。

 日本では長らくアパート投資が流行していますが、業者から買う物件は価格が割高です。更に賃料収入は課税対象となり、ローンの金利負担もあるため、DIYリフォームや客付けによほどの自信がない限りたいして利益は残せません。減価償却費の活用を目的にしている投資家も多いようですが、空室リスクや修繕費もそれなりにかかるため、物件を市場価値より大幅に安く買えたり、土地から仕入れて、完成後に利益が出るような価格で売れる利回りに仕上げるような知識や経験がないと大きな利益を残すことは難しいでしょう。

 シン富裕層のクライアントの中でも特筆すべきスキルを有する方がいました。その方が言うにはとにかく都心部の区分所有を安く仕入れて、お洒落に安くリフォームし、20%程度の利益を乗せて売却するビジネスを個人でやっているという方でした。もちろん宅建士の資格は自身でお持ちで、売上規模を聞くと個人と言うには大きすぎるくらいでした。不動産DIY好きなので、DIYリフォームの情報商材ビジネスもやっているそうで、一定の売り上げがあるとのことでした。

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一等地に住む方が生活の質も上がる