※写真はイメージです(Getty Images)
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 都心の駅近に1億円のマンションを購入すると10年でその価値が2倍に。そこで新たにローンを組んで2億円のマンションを買ったところ、3年後には3億5000万円に! そんな夢のような不動産投資を実現させている富裕層が日本にもいる。バブル時代の“土地転がし”とは違う才覚を持つ彼らは「シン富裕層」と呼ばれ、不景気でも着実に資産を増やしている。2万人以上の「シン富裕層」と関わってきたコンサルタントの大森健史さんが、その実態を解説する。(朝日新書『日本のシン富裕層-なぜ彼らは一代で巨万の富を築けたのか』から一部抜粋・再編集)

【ランキング】住宅の資産価値の下がらない駅

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■自宅を買うときに「資産」として考えられるか

 自宅投資で資産を増やしたタイプのシン富裕層は、「『住宅の価格はいつか下がる、バブルは必ずはじける、暴落する』と怖がっている日本人が多いよね」とよく話しています。

 日本人はバブル崩壊のトラウマが強いようです。しかし長期的に見れば、物価というものは必ず上がるもの、上がらなければさまざまな問題が生じるもの。

 物価の比較というのは難しいですが、たとえば太平洋戦争開戦直後に就役した戦艦大和は、建造費1億4503万円、当時の国家予算の4・4%を投じて造られたといいます。一方、2020年3月に就役した最新鋭イージス艦「まや」の建造費は1720億円、迎撃ミサイルのランチャー(発射機)などを装備した場合のイージス艦の建造費は2隻で5000億円見込みと報じられています。強引にこれを単純比較すると、この80年で物価はおおよそ1200倍から1700倍程度になった計算となります。

 平成の約30年間、デフレで物価が上がらなかった日本が、異常なだけだったのです。

 私の知人の商社マンは、「都心マンションの購入を繰り返すことで、確実に資産を増やし続ける」という自宅投資の手法にたまたま気づいたことで、資産を大いに増やしました。彼は通勤の負担を軽減するために、かつ、いざ売ることになったときに売りやすいだろうという理由で、都心の駅近という好立地な場所に1億円でマンションを購入し、10年が経ちました。

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2億円のマンションが3年で3億5000万円に