占い師、作家 しいたけ.
占い師、作家 しいたけ.
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 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

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Q:今の仕事の先行きが見えなくて、新しいことを始めようと、書くことが好きなので始めたのですが、書くことを仕事としていくことができるのか、また、書店員としてではなく本に携われる仕事をしたいのですが立派な学歴がなく、やりたい気持ちだけが、から回りしているので、地に足がつく方法が知りたいです。(女性/書店員<パート>/42歳/さそり座)

A:人生で何か新しいことを始めようという時って、やっぱり“生まれ変わる”くらいのエネルギーが必要になってくるものと僕は思っています。

 生まれ変わるとは、具体的にどういうことか。1日24時間ある中で、「これから」への時間をどれだけ確保できるかだと思うんです。

 たとえ現時点では可能性が1パーセントしかないとしても、1パーセントの可能性の芽を育てていく時間を、ちゃんと持てるかどうか。手段については、いくらでもアドバイスしてくれる人がいると思います。でも、本気になって時間を費やすことは結局のところ自分にしかできません。

 僕自身の反省も込めてですが、時間の確保にはかなりの本気が必要です。自分の一日を客観的に見て、どれだけ無駄な時間が多いことか。考えなくていいことを考え、見なくてもいいSNSを見て。それが人生だという説もありますが、生まれ変わって何か違う可能性を育てていく時には、やっぱり快楽を封印する必要がある。

 神様は見ていると僕は思います。Aに到達するのが結果的に無理だったとしても、「これだけ君はストイックになれたか。じゃあ本気なんだね」とBへのチケットを渡してくれる。本気を出すことで自分のエンジンとかそういうものが強化されるわけだから、今の会社で出世するかもしれないし、取引先から「あなた面白いから話聞かせて」と声がかかるかもしれない。占い師の経験からも、そういうことは本当によくあるんです。

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