ポール・デスモンドの演奏を聴いていると、羽毛布団に包まれているような気持ちになる。フンワリ、フワフワ。しかし体温が上がるかといえばそうとは限らず、ハートウォーミングではあるのだけれど、どこか冷めた部分がある。ホットでクールという明らかな矛盾が、ポール・デスモンドの演奏のなかでは、矛盾でもなんでもなく、ごく自然に共存しているように感じる。その「クール」は「都会的な洗練」という言葉に置き換えてもい…

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