AERA 2023年3月20日号

目黒:20歳のころでした。当時は初めてグループというものに加入させてもらった、宇宙Sixの一員として活動していました。でも自信がないし、どう頑張っていいかもわからなかった。自分たちのライブを見に来てくれた先輩に「目黒だけバック(ダンサー)に見えた」と言われたこともありました。すごく悔しかった。でも、どこか自分でもわかっていて「ですよね?」という感じもありました。

「もうやめようかな」と考えていた時、友人に言われたんです。

「このままやめたら絶対に後悔する。やりたいことがあるなら、それをノートに書いて、バンバン言いな? リミットを決めて、本当にダメだったらやめればいいじゃん」

 さらに、「ファンの人にも変わったことをわかってもらう必要があるから、髪形を変えちゃえば?」と、そのままコンビニに行ってワックスを買ってきて、僕の髪をわ~っとセットしてくれたんです(笑)。

 今まで自信がなくて、重く下ろしていた前髪をバーンと上げられて、完成した髪形がテクノカットだったんですね。この、ワックスの話までするのは初めてだと思います(笑)。

 翌日からはそのテクノカットで出ていって、恥ずかしくて今までは言えていなかった思いを言葉にするように自分を変えていったら、本当にすべてがいい方向に進んでいきました。

 初めは「その髪形、変だね」と言われることもあったんですけど、やり続けていくうちに真似してくれる子も出てきたりしました。

■「食らいついてやる!」

――その友人の提案で始めた“夢ノート”には、どんなことを綴ったのだろう。

目黒:「『ザ少年倶楽部』に出たい」「『ザ少年倶楽部』でマイクを持ちたい」「『FINEBOYS』でモデルをやりたい」「ドラマに出たい」、あとは「デビューしたい」とか。当時はそのどれもできていなくて、自分も周囲も「絶対無理じゃん」と思うような夢だったんです。でも2、3年で全部クリアしました。

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