(画像:株式会社ウェザーニューズ提供)
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 夏の風物詩の一つといえば“花火”。夜空に鮮やかな光の花が咲く様子は、老若男女を問わず、誰もがワクワクさせられるイベントなのではないだろうか。

 夏も本番を迎え、全国各地で花火大会が開催されている中、気象情報会社の株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市)が、ちょっと気になるアンケートを行っている。それによると、人々が花火大会に行く回数の全国平均は0.9回だというのだ。

 同社は、2014年7月3日から8日にかけて、リアルタイムで気象情報が分かるスマートフォンのアプリ「ウェザーニュースタッチ」(無料)のユーザーを対象に、花火大会に関するいろいろな調査を行い、6日間で延べ6万9317人の回答を得たという。

 まず、「花火、何回見に行く?」という質問について都道府県別にみると、花火大会に行く平均回数が最も多いのは鹿児島の1.6回、2位では秋田、新潟、岩手がいずれも1.3回とならび、3位には1.2回の群馬、和歌山が続いた。秋田は「大曲の花火」、新潟は「長岡まつり大花火大会」と、全国的に有名な花火大会が開催されることが影響しているのか、県民の花火への関心は高いようだ。下位には愛知や東京、大阪など都市部が並んだ。

 次に、「花火大会、これが困る!」という質問に対しては、「混雑」と答えた人が46%と半数近くを占めていた。冒頭で花火大会へ行く全国平均が0.9回というデータの話をしたが、混雑を嫌って花火大会から足が遠ざかっている可能性も考えられる。ましてや有名な花火大会ともなればテレビで中継されたり、インターネットを通じた動画で配信されたりすることもあるので、そうしたことも影響しているのだろうか。もしそうならば、混雑するから行かないなんて、なんだかちょっぴり寂しい結果となっている。

 また、「花火見大会で浴衣着る?」という問いに対して、「着る」と答えたのは男性4%、女性11%で、最も着用率が高かった20代でも約2割にとどまった。浴衣を着ない理由としては、「浴衣を持っていない」「人混みの中、浴衣で歩くのが大変そうだから」という声が目立ったという。混雑する花火大会の会場も去ることながら、行き帰りが電車という人もいるだろうし、人混みの中では、浴衣の華やかさよりも普段着なれた服を選んでしまうのもうなずける。

 さらに、花火を見る上で重要なポイントとなる場所取りにかける時間については、76%の人が「0時間」と答えている。

 そんな中、「1時間」以上と回答した人のデータを見てみると、場所取りに要した平均時間は2.6時間。こうした「場所取り派」は花火大会が始まる2時間以上前から気合いを入れて見物場所を確保しているようすが伺える。さらに都道府県別に見ていくと、場所取りにかける時間が最も長かったのは、山梨の3.9時間だった。それだけ場所取りが白熱しているからなのか、同県市川三郷町の花火大会では、有料観覧エリア以外では場所取りに関する時間規制を設けたケースもあった。

「夏の風物詩」のはずなのに、今回の調査結果をみるにつけ、実際に足を運ぶ人が少なくなっているというデータには驚きだった。花火大会の会場で見る花火には、光と音だけでなく、花火が開いた時の振動が体に伝わってくるなど、テレビやインターネットでは伝えきれないであろう味わいがある。飲んで騒いできれいな花火に大声で掛け声掛けたって、だれにも怒られないし、ストレス発散にはもってこいの場所なのだ(騒ぎ過ぎは禁物)。人混みをかき分けつつ空を見上げるのは確かに大変だが、夏ならではの風情を味わうために、気合いを入れて出掛けてみてはいかがだろうか。