タッチスクリーンに触れずに、iPhoneのアプリを操作できる…… そんな時代がついに到来した。
iPhoneやiPadなどの関連商品を取り扱うフォーカルポイント社は、iPhoneなどのモバイル機器で使える音楽アプリと周辺機器などを手がけるIK Multimedia Production srlが開発したモーション・コントローラー「IK Multimedia iRing」(アイケー・マルチメディア ・アイリング 以下「iRing」)の販売を開始した。「iRing」は、リング型コントローラーを指にはさみ、iOS機器に手をかざすだけでアプリを操作できてしまうというもの。iPhone、iPad、iPod touchで利用でき、同製品専用の音楽アプリを、手の動きだけでコントロールできるようになる。なお、同製品は正規輸入販売店の楽器専門店やAmazonなどのインターネットショップでも入手できる。
このタッチレス操作デバイスは、リング型コントローラー「iRing」本体(カラーはグリーン、グレー、ホワイトの3種)と、「iRing FX/Control」、「iRing Music Maker」という二つの専用アプリから構成されている。
「iRing」には、2面のパターン認識用の印と、2本の指の間に挟んで装着できるリング・ホルダーが装備されており、iRingの片面には直列に並んだドット、反対の面には三角に並んだドットが印字されている(写真参照)。このドットをiPhone、iPad、iPod touchのカメラの上にかざすと、アプリがその位置及び動きを3次元のXYZ(横/縦/距離)軸上で認識し、操作が可能になる。リングをつけた手の位置と動きの情報は、上記の専用アプリでスタンダードMIDI信号に変換される。MIDI信号とは、音楽の演奏情報をデータ化したもので、これに変更することでパソコンなどで再生することができるというもの。MIDI信号化ができるため、既存のiOSなどが持つMIDI機能対応のアプリを操作することもできる他、iOS機器とWi-Fiで接続されたコンピューター上でも使用可能になる。
●iRing FX/Control
3次元のXYZ軸上で認識された位置情報をMIDI信号に変換。XYZ(横/縦/距離)それぞれにMIDICCをアサインし、二つのiRingを同時に使用可能なので、合計六つのMIDIパラメーターを2本の手でコントロールすることができる。変換されたMIDI信号は、他のCore MIDI対応のiPhone、iPad、iPodtouchアプリを操作できる他、iOS機器とWi-Fiで接続されたコンピューターで使用可能。ディレイ、スタッター、フェイザー、フランジャー、コンプレッサー、ファズ、リバーブ、オートワウ、クラッシュ、ツイスト・アップ & ダウン、ブレイク、スピン、テイルといったエフェクトも16種類用意されている。
●iRing Music Maker
グルーブ、メロディー、エフェクトの組み合わせ操作が可能。アプリを起動して、iRingを装着した手を動かすだけで、ビート、シンセサイザー、エフェクトを操作できるので、音楽アプリを使うのは初めてという人でも、時間を忘れてプレイを楽しむことができる。
IK Multimedia Production srlでは、同社からリリースされている既存のアプリもiRingでコントロールできるようにアップデートしていくという。
指に装着し、手をかざして音楽をコントロールする、このデバイスの登場は、誰もが簡単にグルーブサウンドをiOS対応機種で楽しめるようになる、いわゆる「ハードルを下げる」効果とともに、手をかざして操作するというパフォーマンス的な要素も加わってくるので、DJプレイなどで、新たな領域を開く可能性も秘めていると言えるだろう。