スマートフォン普及率の向上に伴い、アダルトサイトの高額な利用料に関するトラブルの相談件数が急激に増えていることが、埼玉県消費者生活支援センターの調べで分かった。調査結果によると、2013年度の相談件数は1614件と、12年度の相談件数640件の2.5倍にも上る。
また、国民生活センターの公表でも、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)に寄せられたアダルト情報サイトに関する2013年度の相談件数は74017件と、12年度(前年同期 65367)に比べて増加傾向にあった。
内閣府によると、消費動向調査の結果、3月末のスマートフォンの世帯普及率は54.7%に上った。ガラケー(フューチャーフォン)の世帯普及率である73.7%には及ばないものの、普及率の向上とトラブルの増加は無縁ではないだろう。
スマホユーザーの敵は、悪質なサイトだけではない。スマホ黎明期から既に、スマホ内の情報を読み取る悪質なアプリも登場している。アプリによって、位置情報や電話番号、メールアドレスなどの個人情報が抜き取られ、気付かないうちに業者に渡ってしまうケースも少なくない。アドレス帳を読み取られ、登録されている知人や友人のデータまで抜き取られるケースもある。
2012年4月にはスマホの電話帳に登録されている全ての名前、メールアドレス、電話番号を、無断で外部のサーバに送信する機能を持ったアプリがGoogle Playに登場し、NHKでも報道された。他にもアダルトサイトの請求画面を表示するだけの悪質なアプリも出回っている。インストールしたアプリを実行すると、「登録が完了した」として、登録料金を請求して来るといったものだ。
また、700万ダウンロードを突破していたAndroidの日本語入力アプリSimejiが、無断で入力された文字情報を国内のサーバに送信していることが分かり、スパイウエアとしてネットを騒がせたのも記憶に新しい。一般的に普及しているアプリでもこうした落とし穴があったのだ。
スマホは既に、「ちょっと高機能な携帯電話」ではなく、手のひらに乗るパソコンと考えるべきだ。有料でも信頼できるセキュリティアプリを導入し、よく分からないものは安易にインストールしない、怪しげなURLや広告にはアクセスしないなど、充分注意したい。