今日はライブ前に一時頭を悩ます「曲順」(その日に演奏する曲の順番)のお話。レギュラーのバンドを含め、セッション的なギグでもとにかく私が決めることが多いのですが、これがなかなかたいへん。なにがたいへんって、その一晩のチーム全体のノリにすごく影響するのが曲順なので。
先ほど1時間前のリハで初めて合わせた新曲は、どこにもっていこうか。まだ馴れていないけど、からだがフレーズを覚えているあたまのほうでやっちゃうべきか、それとも数曲やってエンジンかかって調子がでてきた時か。休憩後の2部あたまだったら、落ち着いてできるかも。おっ、この変拍子だらけの変態曲どこに置く。このちと重いバラードの次は、どんなのがきたら空気が変わるか。今日のオーラス、なにでしめようか。そういえばギターやサックスの持ち替えのこと考えてたっけか? と、悩みはつきないのです。
話はとんで、昔、矢野顕子さんの曲に『行け柳田』という曲がありました。(敬愛する矢野さんの曲ですが、大の巨人ぎらいの私はこの曲だけはいまだに許せん!怒)。んで「一番柴田 二番に高田 三番張本 四番王 五番柳田 六番土井 七番河埜に 八番吉田」とくる歌詞((c)矢野顕子)なのですが(しかし三番はフィクションでいいので長嶋にして欲しかった)、こんな風に、足の速い出塁率の高い一番、進塁打をきちんと打てる二番、ランナー帰せる三番、一発のある四番と、打順というものはけっこうチームの勝利のために理にかなっている。が、ですが、やはり新しい打順=曲順を毎試合試したくなる、試せるのが音楽ライブの醍醐味なのです。音楽は野球だぜ! だが、実は野球より深いのである(って別に比べるものではない、という声も多々あり(^_^;
そういえば、プロ野球の公式戦で1試合に出場できる最大の人数は25人って知ってましたか? で、異論はあるかもしれませんが、曲=選手なのです! 我々ミュージシャンもだいたいそれくらいの候補曲の中から、一晩の演奏曲約12曲くらいを選んでいるのです。出したい「選手=曲」の半分くらいは落ちてしまうのですね(T_T) そこで第7回でも書きましたが、定番ものは強いのです。実力も人気もある「選手=曲」のことです。たとえばDiVaでいうと《さようなら》という「♪ぼく、もういかなきゃなんない」ではじまる曲があるのですが、これをやらないとどうも自分たちもお客様もなにかしっくりこない、はずせないチームの顔。かと思うと、通好みの「渋い選手=曲」というのもあるわけで、我がマリーンズで言うと福浦先生! もうこの人が出てきただけで幸せ、みたいな、そういう曲もあるのです(^^) (ここが?な人は「俺達の福浦、応援歌」の動画を検索。私はこの歌を聞くと泣けてくる)
あっ最後に「サン・ラ・アーケストラ」を見た時の話し。アーケストラは曲順を前もって決めないんですね。それでサン・ラ先生(知らない人は「サン・ラ」の動画を検索!)がおもむろになにかわけのわからん抽象的なイントロをピアノで弾きはじめるのですよ。んで、メンバーほとんど全員の顔に?マークが浮かぶのですが、番頭さん格のアルトの人が心得ていて、隣の奴に「曲名ゴニョゴニョ」またそいつが隣に「ゴニョゴニョ」。皆、譜面の束をかきまわしつつーの、一瞬でどば~んと《Sophisticated Lady》が突然始まったりするのですが「おいおい、いったい今のイントロのどこでSLってわかるのさ(^_^;(^_^;) ああ、まだまだぜんぜん修行が足りません私……[次回9/8(月)更新予定]