著者の名は「少年」なのに「アヤ」。プロフィールには「平成元年、消費税とともに生まれる。(中略)どこかに向かって走っている」という、プロフィールと呼ぶにはあまりにも大ざっぱな言葉が並ぶのみ。なんだかつかみ所がない人物のように思えるが、そんな印象とは裏腹に、彼の発する言葉は読者のこころを鷲づかみにする。この時代を生きることの不安と喜び。愛することの希望と絶望。それらがない交ぜになって、紙上に叩きつ…

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