成長していく子どもの動きをきれいに撮るためにほしかったという一眼レフ。ソニーα350は、出演したテレビのバラエティー番組の賞品として手に入れた。撮った写真は自分でプリンターで印刷している。カメラはいつも気になっていて、テレビCMや女性誌の広告はチェックしているという
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毎年多くの人でにぎわう「浜松まつり」。昼の勇壮なたこ揚げ合戦がよく知られているが、夜は100台以上の御殿屋台を引き回し、その豪華さを競う。ちょうちんを手に練り歩く人びとに、祭りのにぎわいとおはやしの音が聞こえてくるようだ
幼稚園児である娘に覚えておいてほしいと、自分でつくった弁当を撮り続けている生田さん。キャラクターみたいに顔を描いたり、カラフルにしたりと、つくるのは楽しいという。最近は以前ほど見た目をかわいくしなくなったといい、弁当の形で娘の成長を実感するという
2009年11月28日、ジュビロ磐田を退団する夫・中山雅史さんのホームラストゲーム。“ゴン”の愛称で親しまれた人気選手だけに多くのサポーターが涙で別れを惜しんだ。周りが号泣するなかで、撮影に没頭していた生田さんは「泣いてるひまがなかった」と笑顔で語ってくれた。芝生の緑が美しい

――一眼レフを持ったきっかけは?

 本当にカメラをほしいと思うようになったのは、子どもが生まれてからです。それまでも撮ってたんですけど、先に一眼レフを買った友人がうちの子を撮ってくれたのを見て、「こんなに違うんだ!」って驚いて。「これ本当にあなたが撮ったの!?」って思うくらい(笑)。写真のきれいさが違うんですよね。色も鮮明だし、背景がボケてて被写体がはっきり前に出ている立体的な感じは一眼レフじゃないと表せないのかなあ。これがあれば私も撮れるんじゃないかと思ったのがきっかけです。あと、赤ちゃんのときは動かないからそばに寄って撮ればいいんですけど、成長して動きだすと望遠がほしくなるんですよ。それでCMの影響で「軽くて女性にいいらしいから、『イオキス(EOS Kiss)』を買おう!」と思ったんですが、ちょうど「関口宏の東京フレンドパークII」(TBS)のお仕事が舞いこんできて、ダーツの賞品としてこのソニーα350を当てました。2年前ですけど、うちの子が幼稚園にあがるころだったので、本当にいい時期にゲットできたと思います。

 あと、いま持っているのはサンヨーXacti。ムービーと写真の両方いけて軽い、ちっちゃい! 運動会や遠足になると両方持って行くこともあります。被写体と距離があるときは、一眼レフを使うなど、使い分けています。

――動きまわるお子さんの撮影は大変ですか。

 そうですね。でも、私はむしろ「動いて」って言うんです。動いてるときのほうが、顔が生き生きするから、わざわざ向こうに行かせておいて「ハイッ、振り返って走ってきて!」って言って撮るんです(笑)。被写体がすごく動いていてもピントが合うのが、このカメラじゃないですか。カメラマンの安珠さんが子どもの撮り方について教えているNHKの番組をたまたま見ていたら、そのなかで「走らせるのがいい!」って言ってたんです。お遊戯会や運動会のときはうちの子だけじゃなくて、よその子も撮って、そのなかで「いちばんいい!」と思うものをA4サイズに大きく伸してあげます。すごく喜んでくれるから、また撮ってあげようかなって思いますね。

――ブログを拝見しましたが、お子さんのお弁当を撮られていますね。

 そうです。お弁当って親は覚えてても、子どもは忘れるんですよね。じつは私がなにかの取材で「お母さんのお弁当のなかで、いちばんおいしかったのはなんですか?」と質問されたとき、あんまり覚えてなかったんです。「私、なに喜んだ? なに作ってくれた?」って母に聞いたら、「あなた失礼ね!」って(笑)。けっこうリクエストしてたみたいなのに思いだせないんですよ。だから、きっとうちの子も覚えてないだろうなと思って記録に残すことに。完成したいちばんきれいな状態を撮っておくんです。「ちゃんと覚えといてね」って(笑)。でもじっさい、かわいいのを喜んでくれるのって小さいときだけですよね。大きくなったら、見た目は気にならなくなるし、かわいいピックを刺して楽しむのも、幼稚園のときだけかもしれませんね。だから、いまのお弁当の写真のほうが大人っぽくなってきました。年少さんのときほどかわいくしなくなったし、凝らなくなりましたね。

――ほかにはどんな写真を撮りますか?

 サッカーの試合もたまに撮ります。サッカーってすごいなと思うのは、どんな瞬間でもがむしゃらな感じが絵になるんです。主人(Jリーガーの中山雅史)のジュビロでの最後の試合も望遠のきくレンズを持って行きました。素人だからいいレンズも持ってないし、プロが撮ったほうがいいに決まってるんですけど、やっぱり自分でも撮ってみたいじゃないですか。このときは、みなさん泣いてましたね。サポーターの人たちとか、うちの子も号泣してて。あとで私も「泣いたでしょ。あの日」って聞かれて、「え?」って。私、必死でシャッター押してたので泣いてるひまもなく終わりました。なんか気持ちがカメラマンでした。(笑)

※このインタビューは「アサヒカメラ 2010年9月号」に掲載されたものです

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