最近オセロにハマっている。
実は私はオセロだけは得意で、数学少年の息子も勝つことができないほどなのだ。
主にネット対戦をしているのだけど、ネットの人々は強いくせに超速で、10秒以内にさしてくる。私は最初、のろいから、と盤から追い出されることが続いた。いわば失格みたいな扱いである。
ネット対戦は24時間、やりたい時にいつでもすぐに相手が見つかるので便利このうえない。しかも相手のレベルが表示されているので、ちょうどいい強さの人と闘うこともできる。
それなのにある日私は突然、オセロ大会に出場することにした。なぜだか急に、リアル対戦をしてみたくなったのだ。新学期になっても中学への不登校を続けている息子にいい刺激になるかもしれないという気持ちもあったかもしれない。
大会の参加費は1000円。会場には数十人の出場者がいて、6回戦戦いその勝敗数で競うというのがルールだった。さすがにリアルの場はしんとしていて、緊張感が漂っており、競技、という雰囲気があった。
対局前に「お願いします」、対局後に「ありがとうございました」と息子もきちんと挨拶をしていた。そう、この凛とした雰囲気、これは一種の精神鍛錬にも繋がり、ネット対戦では得られない部分であった。
そして私は戸惑った。なぜならば1試合の持ち時間が20分もあったから。ネットでの試合時間は1試合5分もない。速いことが素晴らしいとされるネットと違い、思考を巡らせることを楽しむ雰囲気がそこにはあり、やはり考えれば考えるほど妙手も浮かんで面白かった。
結果はというと、もちろん私も息子も入賞もしないレベルだった。けれど親切なお兄さん達にオセロのコツを教えてもらい、帰りには美味しいごはん屋さんも紹介してもらい、いいことがたくさんあった。息子よ、もうちょっと強くなったら、また一緒に行こうね。 ちなみに私は4勝したのでオセロ3級の認定をいただいた。なかなかレアなものだと思うので、ちょっとうれしい。