カンニング竹山さん(撮影/今村拓馬)
カンニング竹山さん(撮影/今村拓馬)
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 コロナ禍で失われたものは色々あるかもしれないが、お笑い芸人・カンニング竹山さんが危惧するのは人と語り合う機会が減ったこと。そのために1人で色々なことを抱え込んでいる人に伝えたいことがあるという。

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 最近というか、この3~4年で心の病気の人が周りに増えたなという話を仲間としていたんです。実際、心の病気で休職をしている人もいる。

 結局、なんで心の病気が増えたのかと考えたときに、人と話す機会が減ったんじゃないかなと思ったんですよ。そんなことを同年代の仲間と話していて、「これからはいろんなことを語り合っていこう」って結論でお開きになりました。みんなで、何かあったら言いたくないことでも語り合って、1人で抱え込むのは止めようって。

 コロナ禍というのもあって、言いたいことが言い合えていない世の中だったのもあると思うんですよね。外食を控える、飲み会も行かれず、遠出もしない……感染を封じ込めるためだけにはよかったのかもしれないが、それによって重大なことが生まれてしまったなと改めて思う。

 仕事もリモート、夜の飯もみんなででかけない、趣味の集まりもない状態が2年くらい続いて、色々と1人で抱え込んでしまった人が結構いる。コロナ禍の2年でわかってきたのは、人間って、そういう状態に置いてはダメなんだと最近考えたりしていた。

 だから、感染者がまた増えてきても、人と会うこと、人と語り合うことを止めないほうがいいのではないかと考えている。

 周りに心の病気の人が増えている感じはするけど、僕の場合は、言いたいことを言える性格が影響しているのもあると思うけど、家には妻がいて、2人で話すことはできるわけです。仕事でも個人の小さな事務所も持っているので、そこに仲間が集まったときにベラベラ話したり、仲間と仕事したりする。そういう意味では、コロナ禍でも人と話す機会は奪われなかった。

 語り合う機会が減った世の中へのアドバイスではないんだけど、僕はライブのアイデア出しのために日記をつけていて、「それ、意外にいいかもしれない!」と思っている。日記は他人にはもちろん見られたくない、本音の中の本音が詰まっている。「アイツ、嫌い」とか「あれは絶対にイヤだ」とか(笑)、口が裂けても言えないようなことが書かれています。パソコンで打ち込むのではなくて、ペンでノートに書くんですよ。もう、殴り書き!(笑)解消にはならないかもしれないけど、いい方法だなと思ったりする。

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人生100年時代、あれはウソ