参院選も7月に入り、いよいよ後半戦に。改選数6に対し34人の候補者がひしめく東京選挙区では、連日あちこちで街頭演説の声が響いている。参院選は知名度が大きな武器となるだけに、元タレントといった経歴を持つ候補者が多いのも特徴だ。話題の候補者の戦いを2回に分けてお伝えする。
「山本(太郎)氏が出馬すると言ったことで、東京選挙区はかなり混沌(こんとん)とするようになりました。公示日前後の各社の情勢調査で山本氏は当落線上だったけど、その後は上がってきているという調査結果もありますから」(東京都関係者)
衆院議員の任期を残し、参院議員へのくら替えで出馬した、れいわ新選組代表の山本太郎氏。街頭演説では、エンタメの要素を採り入れていることでも話題になっている。ある日は秋葉原駅前で「れいわ 景気爆上げ 盆ダンスパーティー」を開催。千葉県から来た「CHIよREN北天魁(ちよれんほくてんかい)」のメンバー約20人が、「よさこいソーラン鳴子踊り」を披露し、ほかにも講談師や盆踊りなども会場を盛り上げた。
山本氏はゆかたを着て登場。参院選では比例区に出馬している水道橋博士氏、長谷川羽衣子氏、蓮池透氏らも登壇した。演説が始まると、キーボードとギターの生演奏が流れるという趣向だった。別の日には錦糸町駅前で、山本氏が16歳でテレビ番組に出演した時に扮したキャラクターとほぼ同じ姿で登場し、その当時のキャラクターが現在の山本氏に対して応援演説するという形をとった。
秋葉原での演説が終わった山本氏を直撃した。
2019年の参院選では、山本氏自身も比例区から立候補し、最多の約99万票を獲得。自分以外の2人を「特定枠」で当選させた。
3年前と今回との違いを聞くと、
「19年の時より社会状況が悪くなってますね。当時の方が人々の中にまだエネルギーがあった。19年以降、だんだんみんな元気がなくなってきています。それだけ疲弊しているんだろうなと思います。政治がちゃんと向き合って、生活の底上げをするということをさっさとやらないと。物価高ということに対しても、対応をほとんどしてないじゃないですか」