移籍のタイミングについては、15年という区切りのいい時期に加え、コロナ禍が落ち着いてきたタイミングもあるのではないかと三杉さんは言う。移籍発表と同時に4月26日リリースの最新61枚目のシングルの発売と選抜メンバーが発表された。加えて、実に3年半ぶりとなる“直接会える”イベント「個別お話し会」の開催も発表された。三杉さんは言う。

「今回の『個別お話し会』のように、かつての握手会のような直接会えるイベントも復活させ、心機一転とともにコロナ禍前の環境を目指すというタイミングでもありますね」

 近年は激しく統一感もあるダンスも注目を集めたが、日韓合同グループ「IZ*ONE」での活動に専念していた本田仁美が21年春から復帰したことも大きいと宗像さんは言う。

「IZ*ONEの女性ファンがそのままたくさんAKB48のファンになるという、これまで見られなかった流れも生まれました。『根も葉もRumor』や『元カレです』などダンス色の強い曲を連発しその方向に進んでいくのかと思えば、昨年秋リリースの『久しぶりのリップグロス』ではこれまでの、いわゆる“48歌謡”で古くからのファンを喜ばせました。これまで劇場公演などでもさまざまなスタイルの曲を披露していて、実は引き出しの多いグループ。ユニバーサルという環境で新たな刺激を受け、どういったスタイルの楽曲を打ち出してくれるのか、楽しみです。そもそも、結成18年目のAKB48というグループがちゃんと続いていること自体がすごい。まだまだ続けていく、移籍してステップアップさせようというところに面白さを感じます」

 移籍発表同日、新曲の選抜メンバー16人とともに、届いたメール仕立てのショート動画が公開された。そこにはこんな文面がしたためられていた。

<日本で最も成功している女性グループの一つであるAKB48をUMGファミリーに迎えることができ大変嬉しく思います。

新しい章を迎えるAKB48が更なる成功を遂げ、より多くのファンの皆様と繋がるお手伝いができることを世界中のUMGのチームと心待ちにしています。>

 送り主の名前はこうだ。

<ユニバーサル ミュージックグループ 会長兼CEO ルシアン・グレンジ>

 世界的規模のレコード会社への移籍がもたらす変革の規模、期待度は想像以上に大きそうだ。

(本誌・太田サトル)

※週刊朝日オンライン限定記事

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