AKB48劇場での公演の様子(2017年撮影)
AKB48劇場での公演の様子(2017年撮影)

 芸能評論家の三杉武さんは、冒頭で紹介した動画の自虐的内容もふまえ、

「心機一転という意味合いがまずひとつあると思います」

 とみる。

「国民的アイドルグループと呼ばれた時代と比べると、それぞれのメンバーや曲の知名度は低いかもしれませんが、グループの看板の力はまだまだ強い。より大きなレコード会社への移籍によって、まだまだこの先もAKB48というグループが続いていくんだということ、心機一転、新たなAKB48の姿を打ち出していくんだということを、大型移籍そのものを話題にすることで印象づける部分はありそうです」

 注目したいのは、HKT48やNGT48など、複数の48グループがユニバーサル所属であることだ。

「そういう意味で48への理解があるレコード会社と言えます」(三杉さん)

前出の宗像さんも、

「もはやユニバーサル以外の48グループのほうが少なくなっている状況です」

と言う。

「48グループは、これまでメンバーの所属事務所もバラバラにしていたり、所属のレコード会社も複数にまたがらせてきたりしていました。多くの会社に利益を分散させることで、バランスを取りながら業界全体のパワーを培ってきました。その筆頭がAKB48ということだったわけですが、そのビジネスモデル自体に大きな変革期が訪れたのだと感じました」(宗像さん)

 ここ数年のCDリリースのペースにも宗像さんは注目する。

「コロナ禍の影響もあり、握手会などのイベントも開催できず、フィジカルでのシングル発売は2020年と21年がそれぞれ1枚、昨年は2枚でした。リリースのペースも落ち、『会いに行けるアイドル』は、直接会えなくなってしまった。総選挙も無くなった。多くのファンが、この先どうなっちゃうんだろう、と考えていたであろう中での大きな転換。ミリオン連発の黄金期を一緒に築いたレコード会社から離れるという、これまでのビジネスモデルを変えるほどの一大変革。動画の刺激的な内容も含めて、この先相当な展開が待っているのかなと期待は持てますね」

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コロナ禍が落ち着いてきたタイミングも意識か