事例研究では過去の事例をもとに、どのような解決方法があるか、最善策などを受講生が議論する。講座の中間と最後には報告会を設け、受講生が学びの成果を発表する。また、受講生のアンケートをもとにプログラムの科目構成の見直しと改善を約2年に一度実施。新たに設置された科目は修了生に公開し、無料で受けることができる。
21年度に受講した仙台市の地域包括支援センターに勤務する阿久澤希望さん(46歳)は「講座は実践的な内容が多く、受けている最中から仕事のヒントになっていた」と話す。阿久澤さんはコロナをきっかけに、受講を決めた。
「人との関わり方が変わり、新しい取り組みが必要になってきました。改めて勉強をし直さなければならないと感じていました」(阿久澤さん)
大学の教員ともつながりができ、修了後も問題が起きると相談をしている。
「社会福祉士の実習指導を行っていますが、学びを生かしてより的確な指導ができるようになりました」(同)
大学ではさまざまな業種・職種の人が、実践的な学びでキャリアアップをめざすことができる「リカレント教育」を提供している。各大学のHPや、情報サイトでの検索も可能だ。「リカレント教育」をキャリアアップにぜひ活用してみよう。
(取材・文 柿崎明子)
※アエラムック『大学院・通信制大学2023』より