ストレッチもできていない人に一方的なペースで話しかけて思うような反応が返ってこないのも、無理はありません。
■声の使い分けは難しくない
「こちらが一生懸命話しているのに、思うような反応が来ない」という悩みには、「声の着替え」を試してみてください。
「どんなときも元気よく! ハキハキと!」「ゆっくり話すのが上品」など、どんな状況にあっても「私の正解」にこだわりすぎていませんか。
自分がよかれと思ってする話し方は、相手に気持ちよく受け取ってもらうためのものでしょうか?
場所や行事に合わせて一番フィットした服へと着替えるように、現場の状況、相手の様子を見ながら、声も選んでいきましょう。
「初めての現場でのあいさつは、いつもより大きめのボリュームで話したほうがよさそう」
「年上のお客さまにプレゼンテーションをするときは、声のスピードを落として、丁寧にゆっくりいこう」
「先方は斬新なアイディアを期待しているみたいだから、テンポよく、明るい声を意識してみる」
など、いつもと違う自分の声、その変化を楽しむような気持ちです。
「私にはこれしかない!」と正解がひとつしかない人は、それがうまくいかなかったときに「どうしよう、私という人間を受け入れてもらえない!」と自分を追い込んでしまいます。
それよりも、「この前のハツラツモードは浮いちゃったから、次は中堅どころの穏やかキャラにしてみようか」など、声のプランA、B、Cと自分の中でワードローブを増やしていくように備えておく。「こっちがしっくりこなかったから、次回はこっちでどうかな?」と、状況に合わせて軽やかに声を着替えてみる。
日ごろから、いろいろな話し方のバリエーションを試し、慣らしながら、頼れるパートナーとして磨いておいてくださいね。
【ここまで聴いてくれたあなたへ】
その声、その場にちゃんと馴染んでいますか?
(構成/小川由希子)