写真:著者提供
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■お疲れ気味のパートナーには低い声で

 ラジオやテレビの仕事をしている人に限らず、日常生活でも、私たちは状況に合わせて自然に声を使い分けています。自分なりの経験で「どんな声がその場にふさわしいのか」「どうすればお互い気持ちいいか」が身体に蓄積されて、意識せず声にしている人も多いはず。

 あいさつならば、朝、出社したときの「おはようございます!」はハキハキした声で。帰り際の「お疲れさまでした」「お先に失礼します」は、感謝の気持ちを込めた穏やかな声で。

 生活の中で意識的に声を使い分けてみると、職場や家族の関係にもうれしい効果があります。

 例えば、仕事で疲れて帰宅したパートナーに、「ねえねえ、聞いて聞いて! 今日めちゃくちゃ大変なことが起きたんだけどね……!」と高めのテンションで一方的に話したいことをまくし立てたら、相手に負荷がかかりすぎます。「ちょっと待って、まずは一旦ゆっくり休ませてよ」と気持ちも耳も閉じてしまうでしょう。こちらとしては「ちゃんと話を聞いてくれない!」と不満が溜まる。

 お互いのモードが合っていないと、双方にとって「なんでわかってくれないの?」とストレスになってしまいます。

 こんなときはできる限り、話しかけるほうが相手の気分に合わせたいところ。相手が疲れている様子なら、頃合いを見ながら落ち着いたときに。いつもの自分の声より少し低めの声でゆったりとしたテンポで話しかけてみます。

「そういえば、今日起きたこと、聞いてくれる?」とまずは前置きを。突然本題に入るよりも、ワンクッション作ることで相手の受け入れ態勢も変わってきます。

「いいよ」と返事が来ても、一気にまくし立てずに自分にとって短く感じる分量で。もし向こうが、「もう少し聞きたいな」と思ったら、質問してきますから。

 言い古された表現ですが、やっぱり会話はキャッチボール。相手のウォーミングアップができていないのに、いきなりこちらのペースで豪速球を投げ込んだら、「痛い痛い! ちょっと待って!」と反応してしまうのは当然です。場合によっては、不機嫌になったり、「ごめん、今は無理!」と逃げられてしまったり。

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その声、その場にちゃんと馴染んでいますか?