撮影/ハービー・山口、ヘアメイク/HORI(BE NATURAL)、スタイリング/伊藤省吾(sitor)
撮影/ハービー・山口、ヘアメイク/HORI(BE NATURAL)、スタイリング/伊藤省吾(sitor)

 21年は、舞台以外に10もの作品が公開・放送された。さまざまな役をこなす杉野さんだが、舞台をきっかけに、「演じ方」に変化が生まれたという。

 年を追うごとに俳優としてのスタンスみたいなものが変化しているんです。自分がそう気づけたのは、舞台が終わってからです。舞台後は少しゆっくりと作品に取り組めたので、芝居の向き合い方を模索するようになりました。

 例えば、台本のせりふに寄り添って演じるっていうやり方もあるし、自分のなかにその役の核みたいなものを作って、自分なりに言葉を紡いでせりふに入れていく作業をするときもある。一概にどれがいい、というのは言えないですが、ただ、その役に何か強烈なバックボーンがあると、演じやすいと感じます。その人の痛みとか心の傷が一つあると、気持ちを入れる作業がしやすい。

 あと、役柄と自分自身とが、かけ離れていて、その人を想像しながら役に入っていくほうが、プライベートとの切り替えがしやすいです。今回のドラマ「ユニコーンに乗って」の須崎功は、両面あります。仕自分の心に素直で、何事も一生懸命なところは自分と似ていると思います。

「ユニコーンに乗って」第4話のワンシーン(C)TBS/撮影:加藤春日
「ユニコーンに乗って」第4話のワンシーン(C)TBS/撮影:加藤春日

 須崎は、誰かの夢を応援するために人生を懸けることのできる役どころだ。

 僕もそういうことができるか? 自分が信頼している人、好きだなと思う人にはできると思います。そこは須崎に共感できます。須崎は毎日懸命に生きて、親友の夢をサポートする。作品を見てくださる皆さんが、夢を追う姿に自分自身を重ねたりして、このドラマが何かに挑戦するエールになったらいいなと思っています。

 ところで、役の演じ方だけでなく、現場に入るスタイルにも最近変化があったとか――。

 今までは、すぐに着替えてしまうからと、撮影現場にはサンダルに、どこかの現場でもらったTシャツみたいな格好で行っていましたが、今はおしゃれをするようにしています。理由? 単にそっちのほうがかっこいいからです(笑)。

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撮影があった日の私服は?