ドラマや映画へ途切れることなく出演し、人気俳優への階段を駆け上がった杉野遥亮さん。2015年、大学在学中にモデルデビューし、その後は話題作に次々と登場した。7月からは、ドラマ「ユニコーンに乗って」に出演中と、オファーが絶えない役者の一人だ。杉野さんが、いま思う「演じること」とは。
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1995年、千葉県生まれ。185センチの長身で、学生時代はバスケットボールに打ち込んだ。2015年、大学在学中に「FINEBOYS」専属モデルオーディションでグランプリを獲得し、芸能界デビュー。以降、映画、ドラマと話題の作品に出続けている。今年に入ってからもすでにドラマ「妻、小学生になる。」に出演し、映画「やがて海へと届く」が公開された。現在はドラマ「ユニコーンに乗って」(TBS系、火曜22時~)が放送中だ。
役者として多忙を極める杉野さんだが、俳優としての意識が大きく変わったのは、21年6~7月に出演した舞台「夜への長い旅路」だという。“アメリカ近代劇の父”としても知られる劇作家ユージン・オニールの遺作で、モルヒネ中毒の母、お金に異常な執着を見せる父、アルコールに溺れる長男を家族にもつ次男・エドマンド役を演じた。
舞台はこのときが初めてで、お客さんを目の前にして演じるっていうのが、カメラの前とは全然違いました。自分のとらえ方だったり、自分の身をどこに置くかだったり、意識の仕方だったり……。初めての舞台で、怖さはむちゃくちゃありました。でももう、途中から怖いと感じている余裕もなかったですね。「早く30公演が終わらないかな」ってそればっかり考えていました。追い詰められる感じ? そうです。もう、自分がどこにいるのかわからない!みたいな(笑)。
せりふを覚えるのも大変でした。あのときの記憶はあんまりなくて、どうやって過ごしていたんだろう……。というのも、実はあのとき、舞台と、「僕の姉ちゃん」というドラマと、「やがて海へと届く」という映画の撮影をいっぺんにやっていたんです。半年間ギュギュッといろいろな作品をやって、当時は夢中で、というか単純に追いついていなくて、詳しいことは思い出せないけれど、振り返ったときに、「ああ、頑張ったな」って思えるものになっていました。