日本がシビル・ローの法体系であるのに対し、ミャンマーはコモン・ローに近い法体系を持っていました。ミャンマーを今後も支援していきたい私には必要な知識だと思われました。
日本弁護士連合会の「海外ロースクール留学制度」を利用し、奨学金を得て留学しました。
アメリカ留学は非常に有意義でした。これは日本の法科大学院で学んだ経験があったからこそだと実感しています。大学院2回目ということで、学びの比較をしながら授業に取り組むことができました。また、社会人経験者という立場から、「仕事に戻ったとき、これは〇〇に生かせるな」などと考えながら学ぶことができました。
2020年10月に帰国し、現在の事務所に入所しました。ミャンマーで働いていたときのご縁です。現在は海外に投資・進出をしたいという日本企業をサポートすることが主な仕事です。
具体的には、海外への投資を考える企業からの依頼で、現地の法的リスクの調査をしたり、投資先の会社について法的な観点からの調査をすることが多いです。現地の弁護士とコミュニケーションを取ることもありますが、日本人とは違う目の付けどころに刺激を受けることも多いですね。
現在の仕事は、「企業の成長という夢をサポートできる」点で、とてもやりがいを感じています。もちろん、同時並行として、ミャンマーでの活動を続けていくつもりです。
このように、私はやりたいことにチャレンジした結果が、現在につながっています。海外で働きたい気持ちがある人には、思い切って行動を起こしてほしいです。一歩進むことできっと、世界が広がります。
(構成/狩生聖子)
中島朋子弁護士・ニューヨーク州弁護士/2008年名古屋大学法学部卒、11年同大法科大学院卒。12年弁護士登録。17年よりJICA長期派遣専門家としてミャンマーへ。米国留学後、20年11月より西村あさひ法律事務所。ニューヨーク州弁護士資格取得
※アエラムック『大学院・通信制大学2023』より