そうしたケアをしながらも、まだまだ私たちの側にいてくれるだろうと思っていたのです。しかし、カイはとつぜん旅立ってしまいました。
■耳を疑った「カイくんが急変」の連絡
3月21日、動物病院に膀胱洗浄の予約を入れていました。元気だけど食欲が落ちて、少し熱がある。病院にいって事情を話すと、「点滴しましょう」ということになりました。
それで、普段は洗浄を終えるとすぐにカイと帰るのですが、預けることにしたのです。祝日でいつもの先生ではありませんでしたが、慣れた病院だし、お任せすることにしました。
夕方5時ごろ、病院から電話がかかってきたので、お迎えの知らせかなと思って携帯に出ると、「カイくんが急変しました、すぐ来てください!」と先生から思いもよらない言葉が。
なんで? 慌てて夫と病院に駆け付けると、診察台でカイが心臓マッサージを受けていました。朝に見た元気な姿が頭に焼き付いていて、実感できません。でも目の前の光景は夢ではなく現実でした。意識がない状態ですでにマッサージが30分も続いたので、「もう……いいです」と、先生にその手を止めてもらいました。
少し前まで何ともなかったので、(糖尿による血栓症など)突発的な症状が起きたとしか考えられないとの説明を受け、放心したまま家に連れ帰りました。この先どのくらい生きるかわからなかったけど、先代の猫たちは、がんなどである程度の時間と覚悟を持って家で看取っていたので、カイとの別れはあまりにもショックでした。
翌日、いつも担当してくださった先生に会いにいくと、こういってくださいました。
「どのコも分け隔てなく診ているけれど、カイちゃんには特別な思いがありました。今までよくがんばりましたね」
救われた思いでしたが、また涙があふれてしまうのでした。
■これからは自由に走りまわって
あれから4カ月。まださみしくて写真をじっくり見ることもできませんが、カイと過ごした時間は本当に貴重だったと、日が経つにつれ強く感じています。