そんな中、大谷の7月の成績は5本塁打13打点で、打率は.224と、エンゼルスの打者陣でも上位の成績を残した。また、投手では通算9勝6敗、防御率2.81で先発陣のトップである。とはいえ、大谷がトレードの駒になっているのは紛れもない事実だ。今回の期間内でのトレードは実現しなかったとしても、今後トレードされる可能性はある。

『CBSスポーツ』は31日、「エンゼルスが2023年までに大谷を出す3つの理由と、残留させる大きな理由」と題した記事を掲載した。同記事は、「(期限の)火曜日までにトレードされる可能性はないだろう」としつつも、「このオフには可能性がある」と述べ、3つの理由を挙げた。

 1つは「莫大な契約金」だ。大谷は2023年にFA権を取得するが、その価値は昨季の満票でMVPを獲得するほどの活躍で急騰した。7月7日、現地データサイト『ファングラフス』が算出した昨季から7月までに大谷が投打で生み出した価値は、9800万ドル(約128億円)とされ、年162試合換算で6510万ドル(約85億円)が適正年俸だとも書かれている。同記事は「控えめに見積もっても年3000万ドル(約39億円)は必要」ともいい、すでにマイク・トラウト、アンソニー・レンドンと高額契約を結んでいるエンゼルスが、FA交渉で他球団よりも最高の年俸を提示できるかどうかは「疑わしい」という。

 次に、昨季終了時に大谷が発言した「勝ちたい」という希望をエンゼルスがかなえられないということ。これについて同記事は、今のチーム状況を踏まえ、「十分な勝利を挙げれば、来季以降の契約もオファーできるが、それは疑わしい」と説明している。

 最後はエンゼルス自体の長期的なビジョンについてだ。エンゼルスは、「本気で優勝を目指せるチームを作ること」と「大谷を残す」ことをそれぞれ分けて考えなくてはいけないフェーズに入っている。大谷を残せば、前出のトラウトとレンドン、そして大谷の3人で総年俸の6割を占め、まともな補強はできなくなる。そうなれば、大谷が望むような勝つチームを作るのは難しい。記事では、「夏のトレードが終われば、大谷の価値は徐々に減り、ドラフト指名権を獲得できなくなる次の開幕までにはかなり落ち込むだろう」と述べ、大谷を残すことでエンゼルスが将来に向けたチーム作りができなくなることを指摘している。

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