ヒアリングで性被害の状況を告白した五ノ井里奈さん(撮影/岩下明日香)
ヒアリングで性被害の状況を告白した五ノ井里奈さん(撮影/岩下明日香)

「2014年頃着隊して、初めての泊りがけの宴会で、男性先輩方が盛り上がり、浴衣を脱がせ合う流れになり、『お前も脱げよ』と腕を引かれて、やり玉にあげられそうになった。私が持参していたカメラで、いつの間にか男性隊員たちがお互いを取り合っていた。データは絶対に見たくなかったので、当時の先任に渡して消去してもらった」(20代、航空自衛隊、女性)

「PKOの参加希望について先輩と話した時、『お前みたい(背が低くて力が無い)のは、性処理要員にしか使えないから無理(笑)』と言われ、フォローのつもりか『PKOに連れて行くのは、間違いがないようにブスしか連れていけない(笑)』などと言われたことがある」(40代、航空自衛隊、女性)

「私は男性ですが、隊内浴場で同性愛者の男性に身体の関係を持ち出されました。他にも、浴場で身体を洗っている時に同じ小隊の男性自衛官に陰部を身体に押し当てられました。その時は、嫌とは言えず、笑って誤魔化しましたが、いま考えるとありえないことだし、自衛隊はチームワークが大切なので、こんなことあってはならないです」(20代、陸上自衛隊、男性)

「後期教育隊で、清掃の時間に班長に清掃終了の確認をお願いしたところ、『指摘事項が見つかったら、1枚ずつ服を脱げ。脱ぐ服が無くなったら、下の毛を班員に抜かせる』と言われました。指摘事項が服の枚数を超えたため、それが実行されました」(20代、陸上自衛隊、男性)

 五ノ井さんの勇気ある告発は、多くの被害体験者に声をあげることを促しただけにとどまらない。この先、高い志を持つ有能な隊員や、将来のなり手を守ることに、大きく貢献するはずだ。(AERA dot.編集部・岩下明日香)