4位の広島はここ数年、大学、社会人の投手を中心に指名している。8月のスカウト会議では、白武佳久スカウト部長が外野の右の大砲を補強ポイントとして話しているが、その需要に最もマッチする今年の候補と言えば森下翔太(中央大)になるだろう。1年春には早くも大学日本代表に選ばれており、当時の代表候補合宿ではナンバーワンのスイングスピードをマークしている。課題だった確実性もこの春は打率3割をクリアし、自己最多となる3本塁打を放つなど成長を見せているのもプラス材料だ。7月には大学日本代表のオープン戦で死球を受けて右手を骨折するアクシデントに見舞われたが、既に復帰しており、体の強さも備えている。そういう部分も猛練習で知られる広島向きの選手と言えるだろう。

 3位の阪神はここ数年、投手も野手も大物選手の獲得に成功し、若手は非常に充実している印象を受ける。その中でも強いて将来的なことを考えての補強ポイントを挙げるとすれば右の強打者タイプとなりそうだ。大山悠輔も来年で29歳となり、23歳以下では井上広大しか見当たらないだけに、右の大砲候補を狙いたい。そうなるとこれまでにも名前の出た内藤鵬(日本航空石川)と森下翔太(中央大)の2人が有力候補となる。どちらかを選ぶとなれば、土のグラウンドで内野の守備力が問われるということを考えると、外野手の森下の方がチームにはマッチしているのかもしれない。もし1位は投手でということになっても、右の強打者タイプを1人は狙いたいところだ。

 昨年の最下位からリーグ2位につけているDeNAだが、戦力的には万全と言えず、補強ポイントは少なくない。やはり気になるのが先発投手の太い柱となれる候補が少ないところだ。昨年も1位で小園健太を指名しているが、一昨年1位の入江大生はリリーフタイプだけに、左右問わず長く先発を任せられる投手をまず狙いたい。年齢構成的には高校生を狙いたいが、今年は小園レベルの大物は不在なだけに、筆頭候補として挙げたいのが荘司康誠(立教大)だ。本格化したのは4年春からで、即戦力というには少し完成度は物足りないものの、スケールの大きさは抜群。意外に器用で変化球も悪くない。タイプ的にも先発向きに見えるだけに、ぜひ狙いたい選手である。

暮らしとモノ班 for promotion
【フジロック独占中継も話題】Amazonプライム会員向け動画配信サービス「Prime Video」はどれくらい配信作品が充実している?最新ランキングでチェックしてみよう
次のページ
リーグ連覇が見えてきたヤクルトは…