「離婚をめぐる報道もそうですが、その後も妻子のいる年下のイケメンバンドマンとの熱愛疑惑が写真週刊誌で報じられるなど、恋愛がお盛んなイメージもあり、とくに中高年女性からの評判はいいとは言えません。しかし、アイドル時代から女優全盛期、そして今日までいろんな業界の苦労を知っており、そんな経験が今、まさに演技に生きているのだと思います。最近、テレビマンや映画関係者の間では、中山さんの名前が挙がることも増えています」(民放ドラマ制作スタッフ)
■「眠れる森」はドラマ史上に残る名作
もともと評価されていた演技力に加え、私生活でのさまざま経験をへてメンタルの強さが備わったということなのかもしれない。
「演じる役柄について、『素晴らしい!』と感じるものなら何でも引き受けたいと思っていると、以前インタビューで明かしていたのも印象的です。“良い監督”や“良い脚本”であることが最優先だが、面白い作品ならどんな役でもいいから関わりたいそうです。また、昔は自分が求めるものと違うものを求められることに悩んだりしがちだったが、今は悩むこと自体がほとんどなくなり、割と何でも受け入れてしまうとも話していました。そうしたところを見ると、意外とフットワークは軽いのかもしれません」(前出の編集者)
一方、「私が女優の仕事でいちばん必要だと思うのは体力。とにかく健康でいることが重要!」(「ハルメク365」19年10月21日配信)と話していたこともある。倒れると撮影に穴をあけて、多くの人に迷惑をかけてしまうという理由だが、中山は子どもの頃から体が強く、特別なケアをしなくとも風邪もほとんどひかず、体力や健康には自信があるという。演技力やメンタルだけでなく、フィジカルの強さまでそろっているところもオファーが途切れない理由なのかもしれない。
ドラマウオッチャーの中村裕一氏は、これまでのキャリアを振り返りつつ、中山の今後についてこう考察する。
「『毎度おさわがせします』でドラマデビューしたアイドル時代を皮切りに、80年代後半から00年代にかけ、中山さんは女優として目覚ましい活躍をしていました。主な代表作をざっと挙げただけでも、『な・ま・い・き盛り』『ママはアイドル!』『君の瞳に恋してる!』『すてきな片想い』『もしも願いが叶うなら』など、どれも彼女と同世代の多くの人たちの記憶に今もなお残る作品ばかり。中でも、木村拓哉と共演した『眠れる森』はドラマ史上に残る名作と言っても過言ではありません。彼女がすごいのは、歌手としても実績を残しているところ。中山美穂&WANDSとしてリリースした『世界中の誰よりきっと』は、今ではよく見るアーティストコラボの先がけであり、40代後半から50代の人にとってはカラオケの定番曲でしょう。今の彼女は、女優としては良い意味で未知数です。彼女ならではの目ヂカラと円熟味を増した存在感で再びブレークする可能性も十分あると思います」
私生活でゴタゴタがありながらも、それを感じさせない活躍ぶりは“本物の女優“なのだろう。(丸山ひろし)