先発投手では2018年に18勝を挙げて最多勝を獲得した元巨人のマイルズ・マイコラス(カージナルス)が31試合に先発して11勝13敗、防御率3.35とまずまずの成績をマークしているが、元助っ人で活躍が目立つのはリリーフ投手たちだ。

 今季最も調子のよい投手の1人が2020年にソフトバンクに在籍したマット・ムーア(レンジャーズ)。メジャーに復帰した昨シーズンはフィリーズでプレーし、24試合の登板(うち先発が13試合)で2勝4敗、防御率6.29と苦しんだものの、今年は新天地で救援投手として安定した投球を見せている。

 ここまでチーム2位の58試合に登板して5勝2敗、防御率2.09。69イニングを投げて、77奪三振を記録している。レイズ時代の2013年には17勝を挙げるなどエース級の活躍をしていたが、その後は徐々に成績が低下。日本でのキャリアを経て、見事な復活を果たした。

 また、元日本ハムのアンソニー・バスはムーア以上の安定感を披露。マーリンズとブルージェイズの2チーム合計で69試合に登板して22ホールド、防御率1.51という好成績を残している。同じく元日本ハムのクリス・マーティンも開幕時に在籍していたカブスでは34試合の登板で防御率4.31と際立った数字は残せていなかったが、トレード期限前の7月30日にドジャースへトレードされると安定感がアップ。移籍後は22試合の登板で防御率1.64とブルペンを支えている。所属するドジャースは既にナ・リーグ西地区の優勝を確定させ、10年連続となるプレーオフ進出を決めており、ポストシーズンの大事な場面でも元助っ人の投球が見られるかもしれない。

 ドジャースと同じナ・リーグ西地区では昨年まで阪神でプレーしたロベルト・スアレス(パドレス)が41試合に登板して、5勝1敗10ホールド、防御率2.49とプレーオフ進出を狙うチームの中で欠かせない存在になっている。阪神時代に2年連続のセーブ王となった時のような圧倒的な成績ではないが、日本でリリーフとして活躍した投手はメジャーでもしっかり結果を残せることを証明している。

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今後も救援投手の“メジャー行き”は続くか