プロ野球のドラフト会議まであと約3週間となり、各球団の動向や候補選手についての報道も多くなる時期となってきた。今年は本命らしい本命は不在という印象で、近年多かった事前の1位指名公表も少なくなることが予想されるが、各球団どんな選手を狙うべきなのか。補強ポイントと、その選手がチームにマッチするかという点から探ってみたいと思う。今回は現在パ・リーグAクラスのソフトバンク、オリックス、西武の3球団だ。
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【西武】
昨年の最下位から浮上した西武。近年指名した投手が主力になっており、昨年上位で指名した隅田知一郎と佐藤隼輔の2人もプロのレベルに苦しみながらもそれなりに存在感を示している。一方で野手は長年チームを支えてきた中村剛也と栗山巧の2人が1年を通じての活躍が難しくなっており、それ以外のレギュラーも軒並み中堅、ベテランとなっている。若手野手も少し伸び悩みが目立つだけに、今の主力に余力があるうちに、将来性のある野手を狙いたいところだ。
ポジション的にはレギュラーの固まらない外野が気になるところだが、ポジションにかかわらず中村と山川穂高の後継者となる強打者を狙いたい。そこで筆頭候補としたいのが同じおかわり体型のスラッガーである内藤鵬(日本航空石川・三塁手)だ。180センチメートル、100キログラムの巨漢でパワーはもちろんだが、スイングに柔らかさがあるのも中村、山川と共通している。長打力に関しては高校球界でも随一と言える存在で、夏の石川大会では厳しいマークに苦しみながらも特大の一発を放った。投手としても140キロ近いスピードボールを投げるなど、肩の強さも十分だ。
一方で外野手を優先するのであれば蛭間拓哉(早稲田大)が有力候補になるだろう。浦和学院時代にもU18侍ジャパンに選ばれた左の強打者で、早稲田大でも順調に成長し、大学日本代表の中軸としても活躍している。たくましい体格ながら脚力も抜群で、走塁に対する意識も高い。打つ形に悪い癖がないだけに、早くから一軍の戦力となることも期待できそうだ。