「あれだけの成績を残しながら、もしかしたら清原さんの中では常に誰かに負けていたのではないか。劣等感のなかでプロ生活を送っていたのかもしれない。でもそれがファンには魅力的に映り、自分たちが応援しないとだめだと思わせる。そこがアイドル性なんです。あれだけ体が大きかったらもっと威圧感があると思いますが、どこかはかなさ、もろさがある。それが清原さんの魅力です」
本書のカバーは、西武球場の一塁側スタンドからから見た一塁清原の背番号3番をイメージしている。清原にはジャイアンツブラックと対照的な、ライオンズブルーの爽やかさとはかなさがあると中溝さんは言う。
「自分にとって、清原さんといえば、少年時代に見たキラキラした夕日に輝く西武球場でプレーする背番号3番です。プロ野球選手のキャリアは短く、輝けるのは一瞬です。西武の清原和博のあの瞬間の輝き……自分はそれを見られたんだ、と。そして、当時それを球場やテレビの前で共有していた清原ファンの方々に、この本を読んでもらえたらうれしいですね」
(朝日新聞出版書籍編集部・小柳暁子)