その後、イチローは名門ヤンキース、マーリンズでプレーしたが、ヤンキース時代の2012年にリーグ優勝決定シリーズに進出したものの、タイガースを前に敗退し、それが最後のポストシーズンでのプレーとなった。プレーオフでは19試合に出場して78打数27安打、1本塁打、8打点、打率.346とレギュラーシーズンと同様に好成績を残しているが、世界一をかけた舞台ではパフォーマンスを披露できずにユニフォームを脱ぐこととなった。

 そして、グリフィーJr.とイチローを上回り、史上最もワールドシリーズと無縁の選手となってしまったのが、通算569本塁打を誇る大砲ラファエル・パルメイロだ。パルメイロはオリオールズに在籍した1996年、1997年、レンジャーズに在籍した1999年に3度プレーオフの舞台に立っているが、歴代20位となる2831試合でプレーしていながら、ワールドシリーズに辿り着くことはできなかった。

 その他にも、アンドレ・ドーソン(エクスポズなど)、アーニー・バンクス(カブス)、日本のロッテでもプレーしたフリオ・フランコ(インディアンスなど)、ロッド・カルー(ツインズなど)、トリー・ハンター(ツインズなど)、サミー・ソーサ(カブスなど)、フランク・トーマス(ホワイトソックスなど)ら名だたるスター選手たちがレギュラーシーズンで2000試合以上に出場しているものの、ワールドシリーズでのプレーは未経験のまま引退している。

 一方でメジャーでは2000年のヤンキース以降、ワールドシリーズを連覇したチームはないが、ライアン・セリオ(2011年:カージナルス、2012年:ジャイアンツ)、ジェイク・ピービー(2013年:レッドソックス、2014年:ジャイアンツ)、ベン・ゾブリスト(2015年:ロイヤルズ、2016年:カブス)、ジョク・ピーダーソン(2020年:ドジャース、2021年:ブレーブス)は在籍したチームが変わりながら2年連続で世界一を経験するという、ある意味ではラッキーな選手が存在するのも面白い。

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