リーグ別の今季の個人年俸上位20傑を見ても、ヤクルトの選手は3位に山田哲人、6位に青木宣親が入ったが、村上宗隆は15位タイで、ランクインは計3人。オリックスの選手は、6位に吉田正尚、7位に山本由伸と2人がランクインしたのみ。依然として「コスパ良」の状態が続いた中で両チームともにリーグ連覇を果たし、2年連続の同一カードでの日本シリーズを迎えることになったのだ。

 さらに両チームの選手たちのレギュラーシーズンの働きを、今季年俸と照らし合わせながら見てみる。ヤクルトの年俸トップは、山田哲人(5億円)だ。実績は申し分ないが、今季は不振に苦しみ、残した成績(130試合、打率.243、23本塁打、65打点、10盗塁)は年俸5億円には値しない。同じく青木宣親(3億3000万円)も今季成績(81試合、打率.248、5本塁打、22打点)は不満の残るもの。その他のベテラン野手陣、川端慎吾(5000万円)、坂口智隆(5000万円)、内川聖一(4000万円)らも結果を残せなかった。

 しかし、村上宗隆(2億2000万円)が、その高額な年俸が随分と安く思えるほどの圧倒的な成績(141試合、打率.318、56本塁打、134打点)で日本選手最多本塁打記録を更新し、史上8人目&最年少三冠王に輝いた。その他、38セーブ&防御率2.35のマクガフ(1億2100万円)、打率.272、20本塁打、74打点のオスナ(1億5400万円)の2人を筆頭に外国人勢、さらに石山泰稚(1億5000万円)、清水昇(8800万円)、田口麗斗(7000万円)の中継ぎ陣が、しっかりと働いた点は見逃せない。

 そして投手陣では、大卒2年目の木沢尚文(1200万円)が55試合に登板して9勝&防御率2.94と奮闘し、野手陣では高卒3年目の長岡秀樹(600万円)が正遊撃手に定着してコスパ抜群の活躍を披露。8勝をマークした高橋奎二(2200万円)も年俸以上の働きで、“核弾頭”として存在感をさらに強めた塩見泰隆(4500万円)の年俸も安く感じる。

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オリックスも目立つ“コスパ”の良さ