秀島史香さん(写真:著者提供)
秀島史香さん(写真:著者提供)
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 なぜラジオは3時間の生放送でも聞き続けられるのか? ラジオDJとして25年、第一線で活躍し続ける秀島史香さんですが、実は「もともと緊張しがちで人見知りで心配性」といいます。そんな秀島さんだからこそ見つけられた、誰でも再現できる「人が聞き入ってしまう会話のレシピ」を一冊に詰め込んだ『なぜか聴きたくなる人の話し方』からの連載。今回は、秀島さんが憧れ、いつも刺激を受けているという、3人の「人生の師匠」ご紹介します。

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■コミュニケーションの師匠はいますか?

 コミュニケーションには、その人の個性が色濃く反映されるもの。その人の言葉に、自分にはないものを見つけて、ハッとさせられることがあります。

 人との関わり方や伝え方で悩んだとき、試行錯誤してもうまくいかないとき、相談できる身近な人や目指すべき「師匠」といえる方がいると、心強いですよね。

 ここでは、私がその素敵な生き方に憧れ、ときにはアドバイスをいただいている「先生」をご紹介します。

<気遣いの師匠 高田純次さん>
●「テキトー」=「力み」がない?

 日本で最も「テキトー」という言葉が似合うといえば、右に出る者はいない高田純次さん。そのパワフルでおおらかなイメージの裏にあるのは、相手に対するきめ細かな気遣い。

 私もナレーターとして参加したテレビの旅番組『高田純次のぷらぷら』シリーズ(TwellV、現BS12トゥエルビ)、そして国内を歩く『じゅん散歩』(テレビ朝日)でも、テキトーに(自然体に)歩いては出会う人々と気軽に楽しく言葉を交わしているように見えます。

 でも、実際にカメラが回っていると、これがなかなか難しいもの。ディレクターさん曰く「僕らは後ろからカメラで追っているだけなんですよー」とのことですが、台本なし、いわゆる「仕込み」もない状況は、その人のありのままを映し出します。

 どこでも気ままに歩き、足を止め、「おおっと、これはなんですか?」「お母さん、ビューティフルね!」「わ、お上手!」と、目に入るものに興味津々。そのたびに驚いたり、ほめたり、おどけたり。

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「きっかけは、まず自分から」という気遣い