10月20日に行われたプロ野球ドラフト会議。どうしても1位指名の選手に注目が集まるが、過去を振り返っても低い順位でのプロ入りから球界を代表する選手になったケースは非常に多い。そこで今回は今年のドラフトで下位指名、育成指名ながら大化けが期待できる選手をピックアップして紹介したいと思う。
【写真】ドラフト5位指名から2年連続最多勝へと成長した選手といえば
今年は5位以下で大学生、社会人が多かったが、その中でも未完成ながら高い将来性を感じさせるのが広島7位の久保修(大阪観光大・外野手)だ。高校時代は強豪の石見智翠館(島根)でプレーしていたものの無名の存在で、2012年創部の新しいチームである大阪観光大に進学していることからもそれがよく分かる。大学でも昨年秋までは二部リーグ所属だったこともあって、1年前の時点ではドラフト候補として紹介していたメディアは皆無だった。
その名が知られるようになったのは今年春のリーグ戦からだ。初の一部リーグでのプレーながら3割を大きく超える打率を残してベストナインを獲得。打撃もさることながら、特に評価が高いのが守備と走塁だ。打球に対する反応と落下点に入るスピード、そしてセンターから見せる強肩は大学球界でもトップクラスであることは間違いない。積極的に次の塁を狙う走塁も迫力十分だ。最初は高いレベルの投手に対して苦労することが予想されるが、体勢を崩されても遠くまで飛ばせるヘッドスピードとインパクトの強さも備えている。まだ細身なだけに、スピードを残したまま筋力がついてくれば、走攻守三拍子揃った外野手になれる可能性を十分に秘めている選手と言えるだろう。
大学生でもう1人挙げたいのが中日育成1位の松山晋也(八戸学院大・投手)だ。高校時代は全く無名で、大学でも4年春まではほとんどリーグ戦登板がなく、最終シーズンでようやくブレイクした遅咲きの大型右腕だ。持ち味は何といっても長身から投げ下ろすスピードと角度十分のストレートだ。9月5日に行われた対富士大戦では1回ツーアウトからリリーフでマウンドに上がり、4回を投げ終えた時点でのストレートの平均は150キロだった。