ところで、手術が必要な大きな病気が疑われたとき、かかりつけ医を持つメリットについてはどうだろう。対馬医師は、かかりつけ医すべてに言えることとして、次のように述べる。

「もちろん、大いにメリットはあります。大きな病院は医師が多忙で、外来に十分な時間を割けません。かかりつけ医がいれば、大病院の医師に聞けなかったこと、聞いてもわからなかったことを解説してもらえますからね」

 対馬医師はこれまで、がんなどが疑われる患者の多くを大病院に紹介してきたが、患者の多くは、「対馬先生に聞きたいことがある」と途中途中で、クリニックにやってくるのだと言う。

「子宮内膜症を発症し、卵巣嚢腫(のうしゅ)が見つかったある女性は、紹介先の病院で、『腹腔鏡で治療をすることになりますが、いいですか?』と聞かれ、『どうしたらいいかわからない』と私のところへやってきました。このような場合、『子宮内膜症って何?』というところから解説してあげなければいけません。病気のことがよくわかった上で、はじめて、納得して治療を受けることができるのですから」

 しかし、大病院の医師は多忙で、なかなか説明する時間がない。患者もそうした医師には質問しづらい。

「私自身、大病院に勤務していたので医師の事情はわかりますし、仕方がないことだと思っています。むしろ、大病院の医師はエキスパートとして、患者さんのためにも、治療に専念してもらうのがいい。患者さんからは『主治医がちゃんと説明をしてくれない』『説明がよくわからなかった』『質問をしてみたけれど、よく話を聞いてくれなかった』という不満も多いのですが、この部分をフォローするのは私たち、かかりつけ医の仕事だと思っています」

 対馬医師のような、女性のからだを総合的に診てくれる医師をどう探せばいいのか。一つには対馬医師が同じ考えを持つ女性医師や女性医療者たちの連携組織として、2003年に発足、06年にNPO法人となった「女性医療ネットワーク」(http://cnet.gr.jp/)の医療機関・医師リスト(MYドクター検索のページ)から探す方法がある。現在、全国300以上の病院やクリニックが掲載されている。

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「女性のための医療」を軸に連携