昨年に続き二刀流として“MVP級”の活躍を披露したエンゼルスの大谷翔平(ロイター/アフロ)
昨年に続き二刀流として“MVP級”の活躍を披露したエンゼルスの大谷翔平(ロイター/アフロ)
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 今季メジャーでプレーした日本人選手を独断で査定する「MLB日本人選手の通信簿」。再び二刀流で大活躍した大谷翔平選手らの評価は以下のとおり。

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【大谷翔平(エンゼルス)】 評価:S

 2021年は投打で大活躍してア・リーグMVPに輝いた大谷。今季もそれに勝るとも劣らない唯一無二の二刀流プレーヤーとして大いに存在感を発揮した。

 まずは「打者・大谷」から見ていこう。昨季の46本塁打、100打点、26盗塁にこそ及ばなかったが、今季も打率2割7分3厘、34本塁打、95打点、11盗塁をマーク。負担の大きい二刀流ながら、指名打者とはいえ157試合とほぼフル出場したのは高く評価できる。

 打率(昨季は2割5分7厘)と安打数(昨季は138本、今季は160本)を除いたほぼ全てのスタッツが下降したとはいえ、OPS(出塁率と長打率を足した数値).875は十分に強打者のカテゴリに入る。打者単体ならばA+は間違いないだろう。

 では「投手・大谷」はというと、こちらは文句なしのキャリアハイだ。28試合に先発して15勝9敗、防御率2.33、219奪三振。二刀流仕様の中5日ローテーションを基本としながら30試合近く先発できたことで各スタッツが上積みされたのは確かだが、このブレークには配球の変化があった。

 昨季の大谷はフォーシームが全投球の44.1%を占めていたが、今季の大谷はその割合が27.6%まで低下。一方で昨季は22.0%だったスライダーが39.1%まで増えた。さらにカットボール(12.6%から9.1%)とスプリット(18.3%から12.0%)が減った一方で、カーブ(3.6%から8.6%)が増えている。速球中心の力押しからスライダーやカーブを使った緩急を駆使することで、9イニング平均の奪三振率は10.8個から11.9個に上がった。もはやメジャーを代表するエース級といって過言ではなく、こちらもA+を進呈。近代メジャーでは史上初となる規定打席と規定投球回の同時達成というボーナスも込みでトータル評価はSとする。

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パドレス2年目を迎えたダルビッシュの評価は?